おもろさうし/第十三

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おもろさうし  (1623) 
第十三
舩ゑとのおもろ御さうし 天啓三年癸亥三月七日

船ゑとのおもろ御さうし 天啓三年癸亥三月七日 第十三

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13-746(1)

一飽かず珍らしや/出ぢへら数/お見守てす 走りやせ/又君の珍らしや

一あかすめつらしや/いちへらかす/おみまふてす はりやせ/又きみのめつらしや

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13-747(2)

一押し出たる ゑ/司子ど ゑ/吾は 祈て 走り居る ゑ/又走り出でたる ゑ/又朝凪れが し居れば/夕凪れが し居れば

一おしちへたる ゑ/つかさくと ゑ/あは いのて はりよる ゑ/又はりいてたる ゑ/又あさとれか しよれは/ようとれか しよれは

しよりゑとの節[edit]

13-748(3)

一おくらつが 船遣れ/げらい勝り富/押し浮けらば/島よ 栄よわれ/又按司添いが親御船

一おくらつか ふなやれ/けらいまさりとみ/おしうけらは/しまよ ふさよわれ/又あんしおそいかおやおうね

おくらつがふなやれが節[edit]

13-749(4)

一首里 おわる てだこが/親御船は 使よわ/親御船や 走ちへ来居り/御駄 走りやちへ 聞ゝやしよわ/世のつほに/世のつくせ みおやせ/又ぐすく おわる てだこが

一しより おわる てたこか/おやおうねは つかよわ/おやおうねや はちへきより/みちや はりやちへ きゝやしよわ/世のつほに/世のつくせ みおやせ/又くすく おわる てたこか

しよりゑとの節[edit]

13-750(5)

一兄部大里が/楫 取たる こまさよ/大君に/真南風 乞うて 走りやに/又良かる大里が/楫 取たる/又あぐで居ちやる 河内ぢよ/袖 垂れて 渡たる

一すさべ大さとか/かち とたる こまさよ/大きみに/まはへ こうて はりやに/又よかる大さとか/かち とたる/又あくておちやる かうちちよ/そて たれて わたたる

すざべ大里が節[edit]

13-751(6)

一首里 おわる てだこが/御船の君 押し浮けて/百浦 添う 玉の君使い/又ぐすく おわる てだ[こ]が

一しより おわる てたこか/おうねのきみ おしうけて/もゝうら おそう たまのきみつかい/又くすく おわる てた[こ]か

しよりゑとの節[edit]

13-752(7)

一首里 おわる てだこが/鈴富の親御船/按司添いが直さ 取り 走りやせ/又ぐすく おわる てだこが

一しより おわる てたこか/すつとみのおやおうね/あちおそいかなおさ とり はりやせ/又くすく おわる てたこか

おくらつがふなやれが節[edit]

13-753(8)

一首里 おわる てだこが/浮島は げらへて/唐 南蛮 寄り合う 那覇泊/又ぐすく おわる てだこが

一しより おわる てたこか/うきしまは けらへて/たう なはん よりやう なはとまり/又くすく おわる てたこか

しよりゑとの節[edit]

13-754(9)

一首里 おわる てだこが/みてづから 立ちよわちへ/群れ鷹の 舞合う様に 清らや/又ぐすくおわる てだこが

一しより おわる てたこか/みてつから たちよわちへ/ふれたかの まやうやに きよらや/又くすくおわる てたこか

おくらつが節[edit]

13-755(10)

一首里 おわる てだこが/百浦添い げらへて/玉走り 玉遣り戸 見物/又ぐすく おわる てだこが

一しより おわる てたこか/もゝうらおそい けらへて/たまはしり たまやりと みもん/又くすく おわる てたこか

しよりゑとの節[edit]

13-756(11)

一首里杜ぐすく/中辺清ら御ぐすく/だりじよ 又 上下 鳴響め/又真玉杜ぐすく

一しよりもりくすく/なかへきよら御くすく/たりしよ また かみ下 とよめ/又またまもりくすく

しよりゑとの節[edit]

13-757(12)

一首里杜ぐすく/雲風す 寄り添へ/後が末/精軍 寄せるまじ/又真玉杜ぐすく

一しよりもりくすく/くもかせす よりそへ/のちかすゑ/せくさ よせるまし/又またまもりくすく

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13-758(13)

一首里 おわる てだこが/げらへたる ゑそこ/玉珍らせ 此の疾く勝り/又ぐすく おわる てだこが

一しより おわる てたこか/けらへたる ゑそこ/たまめつらせ このとくまさり/又くすく おわる てたこか

しよりゑとの節[edit]

13-759(14)

一首里 おわる てだこが/親御船は 押し浮けて/玉御ねぶ 渡しよわ/おぎやか思いが局 玉御柄杓/又ぐすく おわる てだこが

一しより おわる てたこか/おやおうねは おし受けて/たまみねふ わたしよわ/おきやかもいかつほね 玉みしやこ/又くすく おわる てたこか

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13-760(15)

一首里 おわる てだこが/接ぢやの細工 集ゑ手/羽撃ちする小隼 孵ちへ/又ぐすく おわる てだこが

一しより おわる てたこか/はちやのさいく あとゑて/はねうちするこはいふさ すたちへ/又くすく おわる てたこか

しよりゑとの節[edit]

13-761(16)

一首里 おわる てだこが/唐の道 開けわちへ/王思いが 何代む かに ある/又ぐすく おわる てだこが

一しより おわる てたこか/たうのみち あけわちへ/わうともいか なんたいむ かに ある/又くすく おわる てたこか

正徳十二年十一月廿五日ひのとのとりのへに、せちあらとみ、まなはんに御つかいめされし時に、おきやかもい天の御みてつからめされ候ゑと

しよりゑとの節[edit]

13-762(17)

一大君は 崇べて/せぢ新富 押し浮けて/大君に/追手 乞うて 走りやせ/又精高子は 崇べて/又按司添いぎや御想ぜや/向かう方 撓て/又おぎやか思いが御想ぜや/向かう方 撓て/又按司添いぎや親御船/押し浮け数 守りよは/又げらへせぢ新富/刳り受け数 守りよは/又群れ島の神々/肝 揃て 守りよは/又君南風は 崇べて/せぢ新富 押し浮けて/又のろは 崇べて

尚清王加那志御代 嘉靖三十二年五月四日つちのとのとり、やらさもりのまうはらいの時に、きみま物のみ御まへよりおかみ申みせゝる、天つきのあんしおそいかなし、天の御み事に、ゑとつくり申候

やふその大やくもい

こゑくの大やくもい

こふはの大やくもい

くによしの大やくもい

しよりゑとの節[edit]

13-763(18)

一天続の御想ぜ/大君は 崇べて/屋良座杜 石ら子は おり上げて/十百末 精軍 寄せるまじ/又王にせの御このみ/精高子は 宣立てゝ/八重座杜 真石ら子は 積み上げて/十百末/又聞ゑ天続の/世の想ぜ 召しよわちへ/奥の澪 石ら子は おり上げて/十百末/又鳴響む王にせの/世の想ぜ 召しよわちへ/奥の海の 真石ら子は 積み上げて/十百末/又聞得大君ぎや/屋良座杜 ちよわちへ/だしきや釘 差しよわちへ/十百末/又鳴響む精高子が/八重座杜 ちよわちへ/あざか がね 留めば/十百末

一天つきの御さうせ/大きみは たかへて/やらさもり いしらこは おりあけて/ともゝすへ せいいくさ よせるまし/又わにせの御このみ/せたかこは のたてゝ/やへさもり ましらこは つみあけて/ともゝすへ/又きこゑ天つきの/世のさうせ めしよわちへ/おくのみよう いしらこは おりあけて/ともゝすへ/又とよむわうにせの/世のさうせ めしよわちへ/おくのうみの ましらこは 積み開けて/ともゝすへ/又きこへ大きみきや/やらさもり ちよわちへ/たしきやくき さしよわちへ/ともゝすゑ/又とよむせたかこか/やへさもり ちよわちへ/あさか かね とゝめは/ともゝすへ

しよりゑとの節[edit]

13-764(19)

一赤金が 船遣れ/げらへ金富/大君に/真南風 乞うて 走りやに/又げらへ金富/赤金こ 船頭 し遣り/又唐渡 出でゝ 走り居れば/唐の菩薩 崇べて

一あかかにか ふなやれ/けらへこかねとみ/大きみに/まはい こうて はりやに/又けらへこかねとみ/あかかにこ せと しやり/又たうと いてゝ はりよれは/たうのほうさ たかへて

しよりゑとの節[edit]

13-765(20)

一おしかとが もちよる/浮け宝 鳴響で/浮ける数/大国富 御船/又神にしやが もちよる

一おしかとか もちよる/うけたから とよて/うけるかす/ちやくにとみ おうね/又かみにしやか もちよる

しょりゑとの節[edit]

13-766(21)

一揚がる世寄せ君 さしふ/いせゑけりてるかはに/大国 選で 使ひ/又君の世寄せ君一あかるよゝせきみ さしふ/いせゑけりれるかはに/ちやくに ゑらて つかひ/又きみの世ゝせきみ

しよりゑとの節[edit]

13-767(22)

一御宣り人が もちよる/金冑 げらへて/金福に もちりよかす 清らや/又神にしやが もちよる

一みちへりきよか もちよる/かなかふと けらへて/かなふくに もちりよかす きよらや/又かみにしやか もちよる

しよるゑとの節[edit]

13-768(23)

一御宣り人が もちよる/げらへ勝り富/船遣れ げらへて みおやせ/又神にしやが もちよる

一みちへりきよか もちよる/けらへまさりとみ/ふなやれ けらへて みおやせ/又かみにしやか もちよる

はつにしやが節[edit]

13-769(24)

一御宣り人が もちよる/神にしやが もちよる/で 吾 此れ 言ちへ 走りやに/又選ぶ 選ぶ/百選びの親御船/又選ぶ 選ぶ/八十選びの親御船/又百人 乗る 船子/七十人 乗る 船子/又いや真ころ子が/一の楫 真強く/又蒲葵島の神々/おさん為ちへ 守りよは/又連れ島の神々/おさん為ちへ 守りよわ/又那覇泊 ぬき当てゝ/親泊り ぬき当てゝ

一みちへきよか もちよる/かみにしやか もちよる/て わん これ いちへ はりやに/又ゑらふ ゑらふ/もゝゑらひのおやおうね/又ゑらふ ゑらふ/やそゑ[ら]ひのおやおうね/又もゝそ のる ふなこ/なゝそ のる ふなこ/又いやまころくか/いちのかち まちよく/又こはしまのかみ/おさん為ちへ まふりよは/又つれしまのかみ/おさんしちへ まふりよわ/又なはとまり ぬきあてゝ/おやとまり ぬきあてゝ

つよつけたはりやせが節[edit]

13-770(25)

一御宣り人が/実に 走り居る/我が浦の 珍らしや/早く 走り競いよ/又神にしやが/実に 走りよる

一みちへりきよか/けに はりよる/わかうらの めつらしや/はやく はりそいよ/又かみにしやか/けに はりよる

うち出はたくしたらなつけが節[edit]

13-771(26)

一沖縄が もちよろ/神にしやが もちよろ/京 見ちへ/百度 見欲さよわれ/又聞ゑ按司添いや/鳴響む按司添いや/又渡名喜 橋 しよわちへ/慶良間 淀 しよわちへ/又渡嘉敷に おわちへ/報廻り おわちへ

一よきなわか もちよろ/かみにしやか もちよろ/けお みちへ/もゝと みふさよわれ/又きこゑあちおそいや/とよむあんしおそいや/又となき はし しよわちへ/けらま よと しよわちへ/又とかしきに おわちへ/ふうまわり おわちへ

うちいではいやゝめづらしが節[edit]

13-772(27)

一精の沖縄は/撓い神やれば/掛けて 勝りよわれ/又聞へ按司添いや/鳴響む按司添いや/又島添いに ちよわちへ/金福わ げらへて/又たりよから 聞けば/京踊りや 勝り

一すへのゆきなわは/しないかみやれは/かけて まさりよわれ/又きこへあんしおそいや/とよむあちおそいや/又しまおそいに ちよわちへ/かなふくわ けらへて/又たよりから きけは/きやうよりや まさり

すへのよきなわが節[edit]

13-773(28)

一沖縄が もちよろ/神にしやが もちよろ/この世 添て 直しよわちへ/又聞ゑ按司添いや/鳴響む按司添いや

一よきなわか もちよろ/かみにしやか もちよろ/この世 おそて なおしよわちへ/又きこゑあんしおそいや/とよむあんしおそいや

これはとかしきのかねみつが節[edit]

13-774(29)

一久米の山城/げらへ山城/げらへ栄よわる杜/又けさは 神が嶽/今わ のろが嶽

一くめのやまくすく/けらへやまくすく/けらへふさよわるもり/又けさは かみかたけ/いみやわ のろかたけ

うちいではうらはへが節[edit]

13-775(30)

一掟笑い人/成さのそやけ 乞て/やかやちや ゑ なよら/又こゑしのは 崇べて/神にしやは 崇べて/又真北風 乞侍ら/追手 乞侍ら

一おきてわらいきよ/なさのそやけ こて/やかやちや ゑ なよら/又こゑしのは たかへて/かみにしやは たかへて/又まにし こやへら/おいちへ こやへら

うちいではきやのしが節[edit]

13-776(31)

一ゆら金が 船遣れ/遣らい富 押し浮け/迎い 誇ら/又伊是名のゆら金/又吾がころが 使いす/又撫でころが 使いす

一ゆらきやねか ふなやれ/やらいとみ おしうけ/むかい ほこら/又ゑひぜにやのゆらきやね/又あかころか つかいす/又なてころか つかいす

なよくちがもちよろが節[edit]

13-777(32)

一なよくらののろの/歓へ富 貢 積で みおやせ/又若のろわ 勝り/又綾の筵 打ちよちへ/又せりこ 乞うて 打ちよちへ

一なよくらののろの/あまへとみ かまへ つて みおやせ/又わかのろわ まさり/又あやのみやし うちよちへ/又せりこ こうて うちよちへ

うちいではきみのあんじの節[edit]

13-778(33)

一いや珍らしや/事直し 降れわちへ/清らや 杜ぐすく/又おなり神やれば/又大祖父が/境 飛び越いて

一いやめつらしや/ことなおし おれわちへ/きよらや もりくすく/又おなりかみやれは/又おきおほちか/さかい とひこいて

しよりゑとの節[edit]

13-779(34)

一久米のこゑしのが/百浦のこゑしのが/御気満つ鳴り添い 付けれ/又綾嶺に 在つる/大祖父が うゑけ/又山の鵯や/御気 取り遣り 吹く様に

一くめのこゑしのか/もゝうらこゑしのか/うけみつなりおそい つけれ/又あよみねに あつる/おきよおほちか うゑけ/又やまのひよとりや/うけ とりやり ふくやに

しよりゑとの節[edit]

13-780(35)

一真南風鈴鳴りぎや/真南風 さらめけば/唐 南蛮/貢 積で みおやせ/又追手鈴鳴りぎや/追手 されめけば

一まはへすつなりきや/まはい されめけは/たう なはん/かまへ つて みおやせ/又おゑちへすつなりきや/おゑちへ さらめけは

なよくちののろのあまへとみが節[edit]

13-781(36)

一なよくらが もちよろ/精高子に 言ちへ おやせ/名 揚りよわれ 精高子/又上下の事む/精高子に 言ちへ おやせ

一なよくらか もちよろ/せたかこに いちへ おやせ/みや あがりよわれ せたかこ/又かみしものことむ/せたかこに いちへ おやせ

しよりゑとの節[edit]

13-782(37)

一久米の藤山に/植へて 在つる/麗し御気満つ鳴り添い鼓/又離れ藤山に/又宇根に 居て 打てば/大里に 鳴響で

一くめのたうやまに/うへて あつる/うるわしうけみつなりおそいつみ/又はなれたうやまに/又うねに おて うては/又大里に とよて

しよりゑとの節[edit]

13-783(38)

一久米のこいしのが/百浦こいしのが/此れど だにの 京の真金/又具志川の泊 果報寄る/又大和真五郎船頭/知られては 走りやたな

一くめのこいしのか/もゝうらこいしのか/これと たにの きやのまかね/又くしかわのとまり かほうよる/又やまとま五らせと/しられては はりやたな

しよりゑとの節[edit]

13-784(39)

一久米の若清らが/何 こので おわちへか/追手 乞うて/照るきしやき 使い/又離れ若清らが

一くめのわかきよらか/なおう このて おわちへか/おいちへ こうて/てるきしやき つかい/又はなれわかきよらか

かうちすづなりが節[edit]

13-785(40)

一聞ゑ宣の君が/こいしの おもかかはの/三島 四島からど 愛しやある/又鳴響む宣の君が/こいしの/又伊敷索真庭に/けさげらへ 有る居る

一きこゑせのきみか/こいしの おもかかはの/みしま ようしまからと かなしやある/又とよむせのきみか/こいしの/又いしけなはみやに/けさげらへ あるよる

うちいではとしましまおそいが節[edit]

13-786(41)

一聞ゑ宣の君が/浦走りぎや 見物/又鳴響む宣の君が

一きこゑせのきみか/うらはりきや みもん/又とよむせのきみか

あやげらへの節[edit]

13-787(42)

一聞へ宣の君と/つゝ 取りきやわちへ/又鳴響む宣の君と/又宣の君が御船や/鷲が舞やい富/又按司添いが御船や/げらへ島討ち富/又鷲が舞やい富と/げらへ島討ち富と

一きこへせのきみと/つゝ とりきやわちへ/又とよむせのきみと/又せのきみがおうねや/わしがまやいとみ/又あちおそいかおうねや/けらへしまうちとみ/又わしかまやいとみと/けらへしまうちとみと

うちいではつゝとりくわちへが節[edit]

13-788(43)

一聞ゑ宣の君が/綾競い 見物/又鳴響む宣の君が/又朝凪れが し居れば

一きこゑせのきみか/あやけわい みもん/又とよむせのきみか/又あさとれか しよりは

よなおさがゑそこが節[edit]

13-789(44)

一鈴鳴りが 船遣れ/やうら 押ちへ 若人 使い/又神にしやが 船遣れ/しちよう木や 上み御船/又まきしや 上み御船

一すつなりか ふねやれ/やうら おちへ わかきよ つかい/又かみにしやか ふねやれ/しちようきや てうみおうね/又まきしや てうみおうね

あけしののかみにしやが良金よらちへの節[edit]

13-790(45)

一鈴金や 神にしや もちよる/歩ゆまちへが 見物 清らや/又頭黒親御船は/押し浮けて/又按司御船や/金せひ 押し立て/又下司御船や/くがのせひ 押し立て/又按司御船や/真布帆は 引き立て/又下司御船や/するき帆 引き立て

一すつかねや かみにしや もちよる/あゆまちへか みもん きよらや/又かしらくろおやおうねは/おしうけて/又あちおうねや/こかねせひ おしたて/又けすおうねや/くかのせひ おしたて/又あちおうねや/まぬのほうは ひきたて/又けすおうねや/するきほう ひきたて

しよりゑとの節[edit]

13-791(46)

一久米のこいしのが/おとちよ杜 使よわ/聞へくろかりやよ/取りよわ遣り 栄よわ/又百浦こいしのが

一くめのこいしのか/おとちよもい ちかよわ/きこへくろかりやよ/とりよわやり ふさよわ/又もゝうらこいしのか

とまりみぢへりきうが節[edit]

13-792(47)

一五くの真ころ子よ/浮き清ら 走りやせ/又太郎子 掻い撫でころ/又こゑしのは 崇べて/又おなり神 崇べて/又東嶽に 上て/又おほが口 上て/又良かる木は 撰で/又きやきやる木は 撰で/又本付け綱 綱 付けて/又山付け綱 綱 付けて/又すらからの早御船/又末からの早御船/又那覇泊 走り合へば/又親泊 走り合へば/又百御船の 船先/又八十御船の 船先

一五くのまころくよ/うききよら はりやせ/又たらこ かいなてころ/又こゑしのは たかへて/又おなりかみ たかへて/又ひかたけに のほて/又おほかくち の帆手/又よかるけは ゑらて/又もとつけな な つけて/又やまつけな な 付けて/又すらからのはやおうね/又すゑからのはやおうね/又なはとまり はりやへは/又おやとまり はりやへは/又もゝおうねの ふなさき/又やそおうなの ふなさき

うちいではかうちすづなりが節[edit]

13-793(48)

一聞ゑおわもりや/浮[き]清ら 走りやせ ゑ/送れや やちよこ/又鳴響むおわもりや/又朝凪れが し居れば/又夕凪れが し居れば

一きこゑわもりや/う[き]きよら はりやせ ゑ/おこれや やちよこ/又とよむおわもりや/又あさとれか しよれは/又ようとれか しよれは

うちいではおしやへこが節[edit]

13-794(49)

一おかちや大ころよ/おかちや撫でころよ/又親の神やれば/おなり神やれば/又降れる数 寄せて/遊ぶ数 寄せて/又東方の御島/何 つほに 有るてがよう/又てだが穴の御島/何 つくせ 有てがよう

一おかちや大ころよ/おかちやなてころよ/又おやのかみやれは/おなりかみやれは/又おれるかす よせて/あすふかす よせて/又あかるいのみしま/なお つほに あてがよう/又てたかあなのみしま/なお つくせ あてかよう

五くのまころくの節[edit]

13-795(50)

一泊御宣り人/そよら/\ 走りやせ/又軟れ御宣り人/又泊綾庭に/又軟れ綾庭に/百甕は 据ゑて/又八十甕は 据ゑて/又神 誇る そやけこ/又誰が 誇る そやけこ/又神 誇てから/又誰が 誇てから/又三日月の 満つ様に/又四日月の 満つ様に

一とまりみちへりきよう/そよら/\ はりやせ/又やわれみちへりきよう/又とまりあやみやに/又やわれあやみやに/又百かめは すゑて/又かみ ほこる そやけこ/又たか ほこる そやけこ/又かみ ほこてから/又たか ほこてから/又みかつきの みつやに/又四かつきの みつやに

うちいではきみよしきみの節[edit]

13-796(52)

一おわもりが/京の君 歓へて/群れ舞て 走りやしよわ/又玉天降しや/しけ天降りや/又押し浮けわちへ/刳り浮けわちへ

一おわもりが/けおのきみ あまへて/ふれまて はりやしよわ/又たまておりや/しけておりや/又おしうけわちへ/くりうけわちへ

つましけが節[edit]

13-797(53)

一しけ掛けの神にしやが 船遣れ/大旗の/なおれ居る きよらや/又吾がころは 愛し子は/船頭 し遣り/又夜明け 出ぢへて/明けとまに 走り居れば/又拝み 出ぢへて/岬 出ぢへて 走り居れば

一しけかけのかみにしやか ふなやれ/うきはたの/なおれよる きよらや/又あがころは にくしこは/せと しやり/又ようあけ いちへて/あけとまに はりよれは/又おかみ いちへて/みさき いちへて はりよれは

ぎすゝ大やこが節[edit]

13-798(54)

一泊御宣り人よ/軟れ御宣り人よ/赤頭部よ 良 走り 軟やかせ/又首里のろ 崇べて/親のろは 崇べて/又出ぢへててゝ 知[ら]れゝ/走り居りてゝ 知られゝ/又泊 知らねども/口や 知らねども/又差し廻ちへ 入れて/ぬき廻ちへ 入れて

一とまりみちへりきうよ/やわれみちへりきうよ/あくかへよ よ はり あまやかせ/又しよりのろ たかへて/おやのろは たかへて/又いちへててゝ し[ら]れゝ/はりよりてゝ しられゝ/又とまり しらねとも/くちや しらねとも/又さしまわちへ いれて/ぬきまわちへ いれて

しよりゑとの節[edit]

13-799(55)

一艫添いが撫でころ/宣り人富 押し浮けて/雲風の 立ち直る 清らや/又神にしやが撫でころ

一ともそいかなてころ/せりきうとみ おしうけて/くもかせの たちなおる きよらや/又かみにしやかなてころ

しよりゑとの節[edit]

13-800(56)

一艫添いが撫でころ/立ち撫です 守りよは/世添おせぢ/せぢ勝る若ゑ人/又神にしやが撫でころ

一ともそいかなてころ/たちなてす まふりよは/よそおせち/せちまさるわかゑきよう/又かみにしやがなてころ

すづなりの節[edit]

13-801(57)

一世直さがゑそこ/ゑ け やれ ゑ け/又神にしやがゑそこ/又真南風 国南風の/又やわ/\と 押ちへ 来う

一世なおさがゑそこ/ゑ け やれ ゑ け/又かみにしやがゑそこ/又まはい くにはへの/又やわ/\と おちへ こう

しよりゑとの節[edit]

13-802(58)

一みるや 照る 照り揚がり/照りや揚がりは 崇べて/按司添いが 御使いど 走り居る/又かなや 照る 照る揚がり

一みるや てる てりやかり/てりやあかりは たかへて/あちおそいか 御つかいと はりよる/又かなや てる てりやかり

しよりゑとの節[edit]

13-803(59)

一上がるてだ拝みや/按司添いす 拝み居れ/明ける日や 御み顔ど 拝む/又上がる月拝みや

一あかるてたおかみや/あんしおそいす おかみよれ/あけるひや おみかうと おかむ/又あかる月おかみや

しよりゑとの節[edit]

13-804(60)

一おぎやか仲地仁屋が/按司按司 選ぶ 御船/神てだの 守りよわる御船/又按司添いが親御船

一おぎやかなかちにやか/あち ゑらふ おうね/かみてたの まふりよわるおうね/又あちおそいかおやおうね

みぢへりきうかげにはりよるが節[edit]

13-805(61)

一御宣り人が もちよる/船先 露 付けた 走りやせ/又神にしやが もちよる/又按司添いが御船や

一みちへりきうか もちよる/ふなさき つよ つけた はりやせ/又かみにしやか もちよる/又あちおそいかおうねや

うちいてはおかちや大ころが節[edit]

13-806(62)

一おしやへこが 船遣れ ゑ/煽りやへや 張り綱や 強こ/又神にしやが 船遣れ

一おしやへこか ふなやれ ゑ/あおりやへや はりつなや ちよこ/又かみにしやか ふなやれ

おもかはのみしまが節[edit]

13-807(63)

一河内鈴鳴りが/神々 歓へて/誇てす 走りやしよわ/又見物鈴鳴りが/神々

一かうちすつなりか/かみ あまへて/ほこてす はりやしよわ/又みもんすつなりか/かみ

しよりゑとの節[edit]

13-808(64)

一さはち人が 船遣れ/御船 暗波/夜露 掛けらたな 走りやせ/按司添いが親御船

一さはちきうか ふなやれ/おうね くらなみ/ようつゆ かけらたな はりやせ/あちおそいかおやうね

しよりゑとの節[edit]

13-809(65)

一親さはち 音 取らちへ/按司添いに 撓て/思う様に/浮ちや上がり遣り みおやせ/又此の渡 立つ 青波や/按司添いに 撓て

一おやさはち ね とらちへ/あちおそいに しなて/おもうやに/うちやあかりやり みおやせ/又このと たつ あおなみや/あちおそいに しなて

ふなやれひやしが節[edit]

13-810(66)

一久米のこゑしのが/国高若人が/玉寄せ御船/又百浦こいしのが/国高/又朝凪れが し居れば/又夕凪れが し居れば

一くめのこゑしのか/くにたかわかきうか/たまよせおうね/又もゝうらこいしのか/くにたか/又あさとれか しおれは/又ようとれか しよれは

あかづめづらしやが節[edit]

13-811(67)

一大にしの浦走り/なよくら 手摩てす 走り居れ/又崎枝の浦走り

一おおにしのうらはしり/なよくら てつてす はりよれ/又さきよたのうらはり

あかづめらしやが節[edit]

13-812(68)

一大にしに 鳴響む/聞へなよくら/なよくら 手摩てす 走り居れ/又崎枝に 鳴響む

一おおにしに とよむ/きこへなよくら//てつてす はりよれ/又さきえたに とよむ

あおりやへが節[edit]

13-813(69)

一聞ゑ読谷山/押し上げ 見あぐで/だりす 走りす ちやれ/又鳴響む読谷山/又上の船 百御船/又下の船 八十御船

一きこゑよんたむさ/おしあけ みあくて/たりす ちやれ/又とよむよんたむさ/又かみのふね もゝおうね/又下のふね やそおうね

しよりゑとの節[edit]

13-814(70)

一いやや大屋子が/瀬名玻掟 生しよわちへ/瀬名波掟/夏 満つる かに ある/又瀬名波大屋子が/瀬名波掟 生しよわちへ

一いやや大やこか/せなはおきて なしよわちへ/せなはおきて/なつ みつる かに ある/又せなは大やこか/せなはおきて なしよわちへ

しよりゑとの節[edit]

13-815(71)

一伊江の按司が 船遣れ/押笠に 知られて/吾 守手/此渡 渡しよわれ/又按司選びが 船遣れ

一いへのあちか ふなやれ/おしかさに しられて/あん まふて/此と わたしよわれ/又あちゑらひか ふなやれ

[edit]

13-816(72)

一伊江のはたころ/按司にせに鳴り思い/真羽地は/按司添いに みおやせ/又離れはたころ/按司にせ鳴り思い

一いへのはたころ/あちにせになりよもい/まはねちは/あんしおそいに みおやせ/又はなれはたころ/あちにせなりよもい

しよりゑとの節[edit]

13-817(73)

一霜月が 立ち居れば/吾 持ち居れ/真羽地 真羽地や/肝からも 去らん/又若夏が 立ち居れば

一しもつきか たちよれは/あん まちよれ/まはあし まはねしや/きもからも さらん/又わかなつか たちよれは

しまうちあほりやへが節[edit]

13-819(74)

一東方の司子/吾が崇べ司子/海 凪らちへ/風 直ちへ 使い/又てだが穴の司子

一あがるいのつかさこ/あかたかへつかさこ/うみ とらちへ/かせ なおちへ つかい/又てたかあなのつかさこ

きゝみあぐむが節[edit]

13-820(75)

一東方の大主/日の鳥の 佳声の/うらと 聞ゝ 清らや/又てだが穴の大主

一あかるいの大ぬし/ふゑのとりの かこへの/うらと きゝ きよらや/又てたかあなの大ぬし

ふいのとりの節[edit]

13-821(76)

一東方の大主/聞ゝ 見やぐむ せぢ/やてよこ ころ/揃いわる 按司添い/又てだが穴の大主

一あかるいの大ぬし/きゝ みやくむ せち/やてよこ ころ/そろいわる あちおそい/又てたかあなの大ぬし

はつにしやが節[edit]

13-822(77)

一東方の大主/大主が前に/赤木 ゆす木の花の/真白 真赤ら 咲き居れば/おれよ 取て おりさちへ/明けの露に おされて/波ぎや踊りぎや 走る居れば/おれ 見にる ころ達部/又てだが穴の大主

一あかるいの大ぬし/大ぬしがまへに/あかき ゆすきのはなの/ましろ まから さきよれは/おれよ とて おりさちへ/あけのつよに おされて/なみぎやよりきや はるよれは/おれ みにる ころたへ/又てたかあなの大ぬし

ふへのとりの節[edit]

13-823(78)

一東方の大主が/前から 肝 揃て/やぐめてゝ 知られゝ/又てだが穴の大主

一あかるいの大ぬしか/まへから あよ そろて/やくめてゝ しられゝ/又てたかあなの大ぬし

ふいのとりの節[edit]

13-824(79)

一東方の大主/天が下の/按司 下司 ちかわすは/御肝 し遣り 直しよわ/又てだが穴の大主

一あかるいの大ぬし/天か下の/あんし けす ちかわすは/おきも しやり なおしよわ/又てたかあなの大ぬし

きゝみあぐむが節[edit]

13-825(80)

一東方の大主/明けまもどろ 見れば/へにの鳥の舞ゆへ 見物/又てだが穴の大主

一あかるいの大ぬし/あけまもとろ みれは/へにのとりのまゆへ みもん/又てたかあなの大ぬし

[edit]

13-826(81)

一東方の大主/命大主ぎや 見物/又てだが穴の大主

一あかるいの大ぬし/ゑのち大ぬしきや みもん/又てたかあなの大ぬし

ふいのとりの節[edit]

13-827(82)

一東方の大主/声加那志鳴り清ら/打ちちへ 島 添いれ/又てだが穴の大主

一あかるいの大ぬし/こへかなしなり清ら/うちちへ しま そいれ/又てたかあなの大ぬし

はつにしやが節[edit]

13-828(83)

一東方の大主/聞へ国治り人と/やゝのや奇せ 火照らちへ/照り添いが 見物/又てだが穴の大主/又いろのまたまへにと/又いろのわかさかいと/又行き合よわる所/又思よわる所

一あかるいの大ぬし/きこへくにせりきうと/やゝのやくせ ほてらちへ/てりおそいか みもん/又てたかあなの大ぬし/又いろのまたまへにと/又いろのわかさかいと/又ききやよわるところ/又おもよわるところ

ふいのとりの節[edit]

13-829(84)

一東方の大主/今帰仁 金比屋武/按司添いす/掛けて 栄よわれ/又てだが穴の大主

一あかるいの大ぬし/みやきせん かなひやふ/あちおそいす/かけて ふさよわれ/又てたかあなの大ぬし

うちいではふいのとりの節[edit]

13-830(85)

一東方の/明けもどろ 立てば/十走り 八走り/押し開けわちへ/見物 清らや/又てだが穴の/明けもどろ 立てば

一あかるいの/あけもとろ たては/とはしり やはしり/おしあけわちへ/みもん きよらや/又てたかあなの/あけもとろ たては

ふいのとりの節[edit]

13-831(86)

一東方の大主/大主が このみす/ゑそこみ御船 このたれ/御肝の 撓お様に 走りやせ/又てだが穴の大主

一あかるいの大ぬし/ このみす/ゑそこみおうね このたれ/おきもの しなおやに はりやせ/又てたかあなの大ぬし

はつにしやが節[edit]

13-832(87)

一東方の大主/ややの真帆/押し上げて 走りやせ/又てだが穴の大主

一あがるいの大ぬし/ややのまほう/おしあけて はりやせ/又てたかあなの大ぬし

[edit]

13-833(88)

一東方の大主/鳴る金の思い子/しつら金 真雲に/中人に やた物/八声 為ば 十声 為ば/疾く使い/又てだが穴に 鳴響み良し/又朝露は 蹴り上げて/夜露は 蹴り上げて/又中人に 通て/恋者に 通て

一あかるいの大ぬし/なるかねのおもいくわ/しつらかね まくもに/なか人に やた物/やこへ せは とこへ せは/とくつかい/又てたかあなに とよみよし/又あさつゆは けりあけて/ようつゆは けりあけて/又なか人に かよて/こいものに かよて

はつにしやが節[edit]

13-834(89)

一地天鳴響む大主/清ら花の/咲い渡る 見物/又天地鳴響む大主

一地天とよむ大ぬし/ちうらのはなの/さいわたる みもん/又天ちとよむ大ぬし

はつにしやが節[edit]

13-835(90)

一東方の大主/天が下/せぢ勝る按司添い/又てだが穴の大主/天が下/又聞へ国治り人が/又首里杜 ちよわる/又真玉杜 ちよわる

一あかるいの大ぬし/天か下/せちまさるあちおそい/又てたかあなの大ぬし/天か下/又きこへくにせりきよか/又しよりもり ちよわる/又またまもり ちよわる

はつにしやが節[edit]

13-836 (91)

一東方の大主/玉金御内に/頼り為ちへ みおやせ/又てだが穴の大主

一あかるいの大ぬし/たま金みうちに/たよりなちへ みおやせ/又てたかあなの大ぬし

うちいではなごさかいが節[edit]

13-837(92)

一国笠の親のろは/船頭 し遣り もちろ弥帆/うら巻きちへ 走りやしよわ/又国笠の若のろは/又赤木 取て ゆす木 取て/疾くか/又綾木 取て 奇せ木 取て/帆走りや/又苧の糸は 真苧の糸は/水縄せ

一くにかさのおやのろは/せと しやり もちろやほう/うらまきちへ はりやしよわ/又くにかさのわかのろは/又あかき とて ゆすき とて/とくか/又あやき とて くせき とて/ほうはしりや/又てうのいとは まうのいとは/のなわせ

うちいではおしかけ節[edit]

13-838(93)

一あけしのゝ神にしや やれかゑ/やゝの弥帆 煽らちへ/又なよ笠ののろにしや/[又]朝凪れ 夕凪れ/又板清ら 棚清ら/又船子 選で 手楫 選で/又あけしのわ 船頭 為上手/又なよ笠わ て取り 上手/又孵で清らわ ゆう取り 上手/又風の手や 帆袋に 撓へ/又波の手や 船腹に 撓へ

一あけしのゝかみにしや やれかゑ/やゝのやほう あおらちへ/又なよかさののろにしや/[又]あさとれ ようとれ/又いたきよら たなきよら/又ふなこ ゑらて てかち ゑらて/又あけしのわ せと しちやうす/又なよかさわ てとり ちやうす/又そてきよらわ ゆうとり ちやうす/又かせのてや ほうふくろに しなへ/又なみのてや ふなはらに しなへ

うちいでかつかねが節[edit]

13-839(94)

一あけしの神にしやが/銀金 寄らちへ/走り居る 清らや/又なよ笠ののろにしや/又朝凪れが し居れば

一あけしのかみにしやか/なむちやこかね よらちへ/はりよる きよらや/又なよかさののろにしや/又あさとれか しよれは

こばもりかなもりが節[edit]

13-840(95)

一聞ゑあけしのが/御み神酒 差し上げば 走りやせ/又鳴響むあけしのが

一きこゑあけしのか/おみしやく さしあけは はりやせ/又とよむあけしのか

御みしやくぬきあげが節[edit]

13-841(96)

一聞ゑあけしのが/大国 愛しけや/上下の貢/積で みおやせ/又鳴響むあけしのが

一きこゑあけしのか/ちやくに かなしけや/かみ下のかまへ/つて みおやせ/又とよむあけしのか

御みしやくぬきあげが節[edit]

13-842(97)

一聞ゑあけしのが/上下 鳴響む み御殿 げらへ/又鳴響むあけしのが

一きこゑあけしのか/かみ下 とよむ みおとん けらへ/又とよむあけしのか

あけしのが節[edit]

13-843(98)

一聞ゑあけしのが/描き御羽 乞よわちへ/雲風 撓へて 走りやせ/又鳴響むあけしのが

一きこゑあけしのか/あかきみはね こよわちへ/くもかせ しなへて はりやせ/又とよむあけしのか

あけしのが節[edit]

13-844(99)

一聞ゑあけしのが/蒲葵杜 金杜/見あぐむ 神ぐすく/又鳴響むあけしのが

一きこゑあけしのが/こはもり かなもり/みあくむ かみくすく/又とよむあけしのか

こばもりかなもりが節[edit]

13-845(100)

一聞ゑあけしのが/東方の蒲葵杜/蒲葵の花の 咲き居れば/うら/\と/若君 使い/又鳴響むあけしのが

一きこゑあけしのか/あかるいのこはもり/こはのはなの さきよれは/うら/\と/わかきみ つかい/又とよむあけしのか

うらそいおもろの節[edit]

13-846(101)

一聞ゑあけしのが/肝 揃お/貴み人 前かち/天が下 頼り為ちへ みおやせ/又鳴響むあけしのが

一きこゑあけしのか/あよ そろお/たゝみきう まへかち/天が下 たよりなちへ みおやせ/又とよむあけしのか

あけしのがこばもりかなもりが節[edit]

13-847(102)

一聞ゑあけしのが/斎場嶽 降れわちへ/蜻蛉御衣 召しよわちへ/風直り 差しよわちへ/波轟ろ 海轟ろ/押し浮けて/百名の 浦走りが 見物/又鳴響むあけしのが

一きこゑあけしのが/さやはたけ おれわちへ/あけすみそ めしよわちへ/かさなおり さしよわちへ/なみとゞろ/おしうけて/ひゃくなの うらはしりか みもん/又とよむあけしのか

あけしのがこばもりが節[edit]

13-848(103)

一聞ゑあ[け]しのが/青しよ御衣 召しよわちへ/波が花 添よわ/又鳴響むあけしのが

一きこゑあ[け]しのか/あおしよみそ めしよわちへ/なみかはな おそよわ/又とよむあけしのか

はつにしやが節[edit]

13-849(104)

一煽りこしりやへは/船頭 し遣り/おわもりが前から/又君のこしやりへは/又朝凪れが し居れば/又夕凪れが し居れば/又板清らは 押し浮けて/又棚清らは 押し浮けて

はつにしやが節[edit]

13-850(105)

一月しろの大主/きくやなき嶽から/山端 治めかちへ/上がて 照る月しよ/吾が成さが せひき/やひき ゑ 上がる様に/又永良部 照る月しよ

一月しろの大ぬし/きくやなきたけから/やまは ひちめかちへ/あかて てる月しよ/あかなさか せひき/やひき ゑ あかるやに/又えらふ てる月しよ

うちいではあがるゑとの節[edit]

13-851(106)

一天に鳴響む大主/明けもどろの花の/咲い渡り/あれよ 見れよ/清らやよ/又地天鳴響む大主/明けもどろの花の

一てににとよむ大ぬし/あけもとろのはなの/さいわたり/あれよ みれよ/きよらやよ/又ちてにとよむ大ぬし/あけもとろのはなの

しよりゑとの節[edit]

13-852(107)

一聞得大君が/精遣り富 召しよわちへ/波風 和やけて/斎場嶽 君々しよ 迎い/又鳴響む精高子が/天降り富 召しよわちへ/波風 和やけて/斎場嶽 君々しよ 迎い/又聞へ按司添い/栄い富 押し浮けて/波風 和やけて/斎場嶽 君々しよ 守れ/又鳴響む按司添いが/精遣り富 押し浮けて/波風 和やけて/斎場嶽 君々しよ 守れ

一きこゑ大きみか/せいやりとみ めしよわちへ/なみかせ なこやけて/さいはたけ きみしよ むかい/又とよむせたかこか/てよりとみ めしよわちへ/なみかせ なこやけて/さいはたけ きみしよ むかい/又きこへあんしおそい/ふさとみ おしうけて/なみかせ なこやけて/さいはたけ きみしよ まふれ/又とよむあんしおそいか/せいやりとみ おしうけて/なみかせ なこやけて/さいはたけ きみしよ まふれ

[edit]

13-853(108)

一せぢ新神泊/雲子寄せ泊/波風 和やけて/斎場嶽 君々しよ 守れ/又朝凪れが し居れば/精遣り富 押し浮けて/波風 和やけて/安須杜の君々しよ 守れ/又夕凪れが し居れば/栄い富 押し浮けて/波風 和やけて/せらちよんの君々しよ 守れ/又海直し 立てわちへ/波添いは 押しかけ/波風 和やけて/浦の数 君々しよ 守れ/風直り 煽らちへ/赤の御衣 煽らちへ/波風 和やけて/浦の数 君々しよ 守れ/又蒲葵杜の君々/舞合ゑて 送らめ/波風 和やけて/首里杜 君々しよ 守らめ/又金杜の君々/舞合ゑてす 送らめ/波風 和やけて/真玉杜 君々しよ 守らめ

一せちあらかみとまり/くもこよせとまり/なみかせ なこやけて/さいはたけ きみしよ まふれ/又あさとれか しよれは/せいやりとみ おしうけて/なみかせ なこやけて/あすもりのきみしよ まふれ/又あさとれか しよれは/ふさいとみ おしうけて/なみかせ なこやけて/せらちよんのきみしよ まふれ/又うみなおし たてわちへ/なみおそいは おしかけ/なみかせ なこやけて/うらのかす きみ/\しよ まふれ/又かさなおり あおらちへ/あかのみそ あおらちへ/なみかせ なこやけて/うらのかす きみしよ まふれ/又こはもりのきみ/まやゑて おこらめ/なみかせ なこやけて/しよりもり きみしよ まふらめ/又かなもりのきみ/まやゑてす おこらめ/なみかせ なこやけて/またまもり きみしよ まふらめ

しよりゑとの節[edit]

13-854(109)

一首里杜 ちよわる/聞ゑ按司添い/精遣り富 押し浮けて/蒲葵杜 ちよわちへ/百歳せぢ 按司に みおやせ/又真玉杜 ちよわる/英祖にや真末按司添い/天降り富 押し浮けて/蒲葵杜 ちよわちへ/又聞得大君が/蒲葵杜司と/御言 合わしよわちへ/てるかはに 知られて/又鳴響む精高子が/蒲葵杜司と/御言 合わしよわちへ/又国笠の親のろ かに はねて/おぎやか思いに 知られゝ/又奇せ清らの大のろ かに はねて/おぎやか思いに 知られゝ/又首里杜 ちよわる/おぎやか思い按司添い/今からど/末 勝て ちよわる

一しよりもり ちよわる/きこゑあんしおそい/せいやりとみ おしうけて/こはもり ちよわちへ/ひやくさせち あんしに みおやせ/又またももり ちよわる/せそにやませあちおそい/ておりとみ おしうけて/こはもり ちよわちへ/又きこゑおおきみか/こはもりつかさと/おこと あわしよわちへ/てるかはに しられて/又とよむせたかこか/こはもりつかさと/おこと あわしよわちへ/又くにかさのおやのろ かに はねて/おきやかもいに しられゝ/又くせきよらのおおのろ かに はねて/おきやかもいに しられゝ/又しよりもり ちよわる/おきやかもいあちおそい/いみやからと/すへ まさて ちよわる

おやみかまが節[edit]

13-855(110)

一君鳴響み/真しちよ木やれば/群れ舞て/真人 ふさ 寄らせ/又浮き鳴響み/京の羽撃ちやれば/又押し浮けわちへ/刳り浮けわちへからは/又揚げる司/直る司やれば/又玉金/もで合わし遣り 帆走りや/又苧の糸は/もで合わし遣り 水縄せ/又真苧の糸は/もで合わし遣り 手縄せ/又海 直す/やゝの真帆 押し揚げて

一きみとよみ/ましちよきやれは/ふれまて/まちよ ふさ ゆらせ/又うきとよみ/けおのはねうちやれは/又おしうけわちへ/くりうけわちへからは/又あけるつかさ/なおるつかさやれは/又たまこかね/もてあわしやり ほうはしりや/又ておのいとは/もてあわしやり みなわせ/又まおのいとは/もてあわしやり てなわせ/又うみ なおす/やゝのまほう おしやけて

しよりゑとの節[edit]

13-856(111)

一みよちよのは 崇べて/此渡 出ぢへて 走り居れば/うらこして 袖 垂れて 走りやに/又神にしやは 崇べて

一みよちよのは たかへて/此と いちへて はりよれは/うらこして そて たれて はりやに/又かみにしやは たかへて

しよりゑとの節[edit]

13-857(112)

一赤金が 船遣れ/てだが前 知られて/追手 乞うて/雲に 送られゝ/又上間子が 船遣れ/てだが前

一あかかにか ふなやれ/てたかまへ しられて/おゑちへ こうて/くもに おこられゝ/又おゑましか ふなやれ/てたかまへ

しよりゑとの節[edit]

13-858(113)

一赤金が 船遣れ/永良部むすひ思へ/今こより/珍ら声 遣らに/又上間子が 船遣れ/又旅に 立つ 吾は/くれかてや 有れども/今こより/珍ら

一あかかにか ふなやれ/えらふむすひよもへ/いみやこより/めつらこゑ やらに/又おゑましか ふなやれ/又たひに たつ あんは/くれかてや あれとも/いみやこより/めつら

しよりゑとの節[edit]

13-859(114)

一永良部 立つ あす達/大ぐすく げらへて げらへ遣り/思ひ子の 御為/又離れ 立つ あす達/大ぐすく

一えらふ たつ あすた/大くすく けらへて けらへやり/おもひくわの 御ため/又はなれ たつ あすた/大くすく

しよりゑとの節[edit]

13-860(115)

一永良部まこはつが/玉のきやく 崇べて/ひといちよは/すかま内に 走りやせ/又離れまこはつ/玉の

一えらふまこはつか/たまのきやく たかへて/ひといちよは/すかまうちに はりやせ/又はなれまこはつ/たまの

しよりゑとの節[edit]

13-861(116)

一永良部世の主の/選でおちやる 能作 赤頭/百読の真絹/取て み[お]やせ/又離れ世の主の/選でおちやる

一えらふ世のぬしの/ゑらておちやる のさ あくか/むゝよみのまきん/とて み[おやせ/又はなれ世のぬし/ゑらておちやる

うちいではみかなしてだの節[edit]

13-862(117)

一聞へ馬天のろ/見揚げ欲しやの若い人/偲びあぐみ人に/守る神 添わて/守られて 通い/栄よわちへ/又鳴響む馬天のろ

一きこへはてんのろ/みあけほしやのわかいきよ/しのひあくみちよに/まふるかみ そわて/まふられて かよい/ふさよわちへ/又とよむはてんのろ

はつにしやが節[edit]

13-863(118)

一聞得大君が/島討ち富 押し浮けて/神座の天降り富る かに ある/又鳴響む精高子が/島内富/又今日の良かる日に/島内富/又朝凪れが し居れば/島討ち富/又夕凪れが し居れば/島内富

一きこゑ大きみか/しまうちとみ おしうけて/かくらのておりとみる かに ある/又とよむせたかこか/しま内とみ/又けおの世かる日に/しま内とみ/又けおのきやる日に/しま内とみ/又あさとれが しよれば/しまうちとみ/又ようとれか しよれは/しま内とみ

大きみがいとめづらが節[edit]

13-864(119)

一大君が/直さ 取て 降れわちへ/歓へて 島内 勝りよわれ/又国守りが/時 取り遣り 降れわちへ

一大きみか/なおさ とて おれわちへ/あまへて しま内 まさりよわれ/又くにもりか/時 とりやり おれわちへ

大きみが時とりやりが節[edit]

13-865(120)

一大君が/玉珍ら 召しよわちへ/歓へて 競い漕ぎ 見物/又国守りが/いと珍ら 召しよわちへ/歓へて 競い漕ぎ 見物

一大きみか/たまめつら めしよわちへ/あまへて けわいこき みもん/又くにもりか/いとめつら めしよわちへ/あまへて けわいこき みもん

うらおそいおもろの節[edit]

13-866(121)

一勝り人が 船遣れ/沖縄按司添いしよ ちよわれ/又浮け揚がりが 船遣れ/又無気手てゝ 思な/又たよててゝ 思な

一まさりきよか ふなやれ/おきなわあんしおそいしよ ちよわれ/又うきあかりか ふなやれ/又なけちへてゝ おもな/又たまててゝ おもな

しよりゑとの節[edit]

13-867(122)

一勝連人が 船遣れ/船遣れど 貢/徳 大みや/直地 成ちへ みおやせ/又おと思いが 船遣れ

一かつれなか ふなやれ/ふなやれと かまへ/とく 大みや/ひちやち なちへ みおやせ/又おともいか ふなやれ

うちいではさはしきうが節[edit]

13-868(123)

一聞ゑ押笠/鳴響む押笠/やうら 押ちへ 使い/又喜界の浮島/喜界の盛い島/又浮島にかゝら/又辺留笠利きやち/中瀬戸内きやち/又中瀬戸内から/金の島かち/せりよさにかち/又せりゆさにから/かゑふたにかち/又かゑふたにから/安須杜にかち/又安須杜にから/金比屋武にかち/又金比屋武にから/那覇泊かち

一きこゑおしかさ/とよむおしかさ/やうら おちへ つかい/又きゝやのうきしま/きゝやのもいしま/又うきしまのかゝら/ひるかさりきやち/又ひるかさりから/中せ[とう]ちきやち/又なかせ[とう]ちから/かねのしまかち/又かねのしまから/せりよさにかち/又せりゆさにから/かゑふたにかち/又かゑふたにから/あすもりにかち/又あすもりにから/かなひやふにかち/又かなひやふにから/なはとまりかち

しよりゑとの部[edit]

13-869(124)

一今帰仁の親御船/銀 金かく富/艫 巻き上げ/那覇泊 走りやせ/又思い子の親御船

一みやきせんのおやおうね/なむちや 金かくとみ/とも まきやけ/なはとまり はりやせ/又おもいくわのおやおうね

しよりゑとの節[edit]

13-870(125)

一聞ゑ今帰仁/百曲り 積み上げて/珈玻㼈寄せ御ぐすく げらへ/又鳴響む今帰仁

一きこゑみやきせん/もゝまかり つみあけて/かはらよせ御くすく けらへ/又とよむみやきせん

しよりゑとの節[edit]

13-871(126)

一浦添に おわる/げらへあまく思い按司加那志/首里から 使い/又渡嘉敷に おわる

一うらおそいに おわる/けらへあまくもいあんしかなし/しよりから つかい/又とかしきに おわる

かけめなのしよの節[edit]

13-872(127)

一あきみよの泊/聞ゑ親泊/肝晴りゑや やちよこ/又はんたま掟/按司直り掟/又うらはるの泊や/ふさすの泊

一あきみよのとまり/きこゑおやとまり/あよはりゑや やちよこ/又はんたまおきて/あちなおりおきて/又うらはるのとまりや/ふさすのとまり

あきみよのとまりが節[edit]

13-873(128)

一阿波根の大親/按司付きの大親/海 凪らちへ/我が浦 寄せれ/又赤子旅 遣たる/さるこ旅 遣たる/又慶良間旅 遣た物/座間味旅 遣た物/又十尋家が 欲しやす/八尋家が 欲しやす

一あはこんの大や/あんしつきの大や/うみ とらちへ/わかうら よせれ/あかくわたひ やたる/さるこたひ やたる/又けらまたひ やた物/さまみたひ やた物/又といろやか ほしやす/八いろやか ほしやす

きこへくにせりきよが節[edit]

13-874(129)

一東方の大主/真玉色の真剣/つみつけな 首里杜 みお[や]せ/又てだが穴の大主/真玉色の真剣/つみつけな 真玉杜 み[お]やせ

一あかるいの大ぬし/またまいろのなつるき/つみつけな しよりもり みお[や]せ/又てたかあなの大ぬし/またまいろのなつるき/つみつけな またまもり み[お]やせ

しよりゑとの節[edit]

13-875(130)

一久志の前兼久/世持ち富 孵ちへ/十百末/乗り栄い しよわちへ/又嶽の若いへ人/穂花 拝で 守ら/又嶽々の神や/ゆまた 積で 守ら

一くしのまへかねく/世もちとみ すだちへ/ともゝすゑ/のりふさい しよわちへ/又たけのわかいへきよ/ほはな おかて まふら/又たけのかみや/よまた ちて まふら

きこへ大ちみがせぢとよむせいくさが節[edit]

13-876(131)

一聞得大君が/大国や 世添い/按司添いす 鳴響め/又鳴響む精高子が/大国や 世添い/按司添いす 鳴響め/又いせゑけり按司添い/大国や 世添い/按司添いす 鳴響め/又いせゑけり貴み人/大国や 世添い/又精軍せぢ 勝れ/大国や 世添い/又精百せぢ 勝れ/大国や 世添い/又首里杜ころ/大国や 世添い/又御島数ころ/大国や 世添い/又肝 強く 実に あれ/大国や 世添い/又肝 強く だに あれ/大国や 世添い/又気有る精遣り富/大国や 世添い/又気有る天降り富/大国や 世添い/又八重山島厳子/又波照間島くはら/肝迷い しめて/又首里杜あせ等は/土斬りに 斬らせ/按司添いす 鳴響め/又真玉杜あせ等は/土斬りに 斬らせ/按司添いす しよめ/又浦の数 神々/相手なて 守ら/按司添いす 鳴響め

一きこゑ大きみか/ちやくにや 世そい/あちおそいす とよめ/又とよむせたかこか/ちやくにや 世そい/あちおそいす とよめ/又いせゑけりあちおそい/ちやくにや 世そい/あちおそいす とよめ/又いせゑけりたゝみきよ/ちやくにや 世そい/又せいくさせち まされ/ちやくにや 世そい/又せいひやこせち まされ/ちやくにや 世そい/又しよりもりころ/ちやくにや 世そい/又みしまかすころ/ちやくにや 世そい/又あゆ ちよく けに あれ/ちやくにや 世そい/又きも ちよく たに あれ/ちやくにや 世そい/又けやるせやりとみ/ちやくにや 世そい/又けやるておりとみ/ちやくにや 世そい/又やへましまいつこ/又はたらしまくはら/きもまよい しめて/又しよりもりあせらは/つちきりに きらせ/あんしおそいす とよめ/又またまもりあせらは/みちやきりに きらせ/あんしおそいす しよめ/又うらのかす かみ/あいちへなて まふら/あちおそいす とよめ

うらおそいおもろの節[edit]

13-877(132)

一聞得大君が/てるかはは 宣立てゝ/按司添いす/天ぎや下 添い/又鳴響む精高子が/てるしのは 宣立てゝ/按司添いす/又いしゑけり按司添い/肝が内は 嘆くな/又いせゑけり貴み人/御肝内は 嘆くな/又精軍 押し発てば/大君す よ治らめ/又精百 押し発てば/精高子す よ治らめ/又国持ちのはら/おぼつ庭よ 世添いて/又浦寄せのもどろ/神座庭よ 世添居て/又国かねのはら/島は 平らげて/又浦治めもどろ/国 広く 添いて/又赤口が 依い憑き/精軍てゝ 撥ねて/按司添いす/天が下 添い

一きこゑ大きみか/てるかはは のたてゝ/あちおそいす/天きや下 おそい/又とよむせたかこか/てるしのは のたてゝ/あちおそいす/又いしゑけりあちおそい/あよかうちは なけくな/又いせゑけりたゝみきよ/おきもうちは なけくな/又せいくさ おしたては/大きみす よしらめ/又せひやく おしたては/せたかこす よしらめ/又くにもちのはら/おほつなよ よそいて/又うらよせのもとろ/かくらなよ よそいて/又くにかねのはら/しまは たいらけて/又うらひちめもとろ/くに ひろく そいて/又あかくちやか ゆいつき/せいくさてゝ はねて/あちおそいす/天か下 おそい

しよりゑとの節[edit]

13-878(133)

一山のくにかねが/撫でゝおちやる小松/按司添いに/世果報せぢ みおやせ/又誇りころがまが/艫勝り げらへて/又誇りころがまが/島とつけ げらへて/出ら数/袖 垂れて 走りやせ

一やまのきにかねか/なてゝおちやるこまつ/あんしおそいに/世かほうせち みおやせ/又ほこりころかまか/ともまさり けらへて/又ほこりころかまか/しまとつけ けらへて/いてらかす/そて たれて はりやせ

うちいではいちやはなが節[edit]

13-879(134)

一天の御宣り人が/撓ひ富 混ちらたな 見居り/又てくの御宣り人が

一あまのみちへりきよか/しないとみ まちらたな みより/又てくのみちへりきよか

うちいではせのきみがいやけたもきが節[edit]

13-880(135)

一聞ゑ宣の君が/目付け しよわちへ 走りやせ/又鳴響む宣の君が

一きこゑせのきみか/めつけ しよわちへ はりやせ/又とよむせのきみか

きこへせのきみがとかはさめが節[edit]

13-881(136)

一聞へ宣の君が/うらと 走りやせ/又鳴響む宣の君が/うらと 走りやせ

一きこへせのきみか/うらと はりやせ/又とよむせのきみか/うらと はりやせ

[edit]

13-882(137)

一此の嶽 此の御嶽の/司子 敬て/知られてす 走りよれ/二股の中辺/綾の天/又奥渡 出ぢへて/奥渡 出ぢへて 走りゑば/誰がてゝ 何れがてゝ 問うな/又屋古泊 走ちへ/誰がてゝ 何れがてゝ 問うな

一このたけ このみちよの/つかさこ おやまて/しられてす はりよれ/ふたまたの中へ/あやのてに/又おくとう いちへて/おくとう いちへて はりゑは/たかてゝ すれかてゝ とうな/又やことまり はちへ/たるかてゝ すれかてゝ とうな

かうちすづなりがみが節[edit]

13-883(138)

一河内鈴鳴りぎや/珍ら声/成さい人前 知られゝ/又見物鈴鳴りぎや

一かうちすつなりきや/めつらこゑ/なさいきよまへ しられゝ/又みもんすつなりきや

うちいではやゝのきくたけが節[edit]

13-884(139)

一真南風 真南風/やおら 押せ/金口 走りやさ/又追手 追手/やうら 押せ

一まはゑ まはゑ/やおら おせ/こかねくち はりやさ/又おゑち おゑち/やうら おせ

首里ゑとの節[edit]

13-885(140)

一首里 おわる てだこが/親御船は 押し浮けて/飛ぶ鳥と 競いして 走りやせ/又ぐすく おわる てだこが

一しより おわる てたこか/おやおうねは おしうけて/とふとりと いそいして はりやせ/又くすく おわる てたこか

しよりゑとの節[edit]

13-886(141)

一首里 おわる てだこが/親御隼 使よわ/親御隼 来居りてゝ 知られゝ/又ぐすく おわる てだこが

一しより おわる てたこか/おやみふさ つかよわ/おやみふさ きよりてゝ しられゝ/又くすく おわる てたこか

しよりゑとの節[edit]

13-887(142)

一首里 おわる てだこが/御前 おわる あす達部/北の海の 波の子/神てだの 守り居わる御船/又ぐすく おわる てだこが

一しより おわる てたこか/御まへ おわる あすたへ/にしのうみの なみのくわ/かみてたの まふりよわるおうね/又くすく おわる てたこか

しよりゑとの節[edit]

13-888(143)

一首里かち 行きや人/吾 語れ いやりせ/大君が 君志 心切れて/又御前かち 行きや人

一しよりかち いきや人/あん かたれ いやりせ/大きみか きみし うらきれて/又御まへかち いきや人

しよりゑとの節[edit]

13-889(144)

一山のなしのが/守る神 成りよわちへ/果報富 乗り栄いしよわちへ/又君のにせ殿が/腰当て神 成りよわちへ

一やまのなしのが/まふるかみ なりよわちへ/かほうとみ のりふさいしよわちへ/又きみのにせとのか/こしあてかみ なりよわちへ

しよりゑとの節[edit]

13-890(145)

一首里 おわる てだこが/船遣れど 御貢/上下の貢/積で みおやせ/又ぐすく おわる てだこが

一しより おわる てたこか/ふなやれと みかまい/かみしものかまへ/つて みおやせ/又くすく おわる てたこか

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13-891(146)

一楠のみ御船/押し浮けたるみ御船/跡 直ちへ/先良かるみ御船/又按司添いがみ御船

一くすぬきのみおうね/おしうけたるみおうね/あと なおちへ/さきよかるみおうね/又あちおそいかみおうね

先王尚寧尊君御上国之御時をなぢやらの美御前御つくり被召候おもろ

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13-892(147)

一真北風が まねまね 吹けば/按司添いてだの/御船ど 待ち居る/又追手が 追手ど 吹けば

一まにしか まねまね ふけは/あんしおそいてたの/おうねと まちよる/又おゑちへか おゑちへと ふけは

はつにしやが節[edit]

13-893(148)

一東方の角の魚/向かて 飛ぶ 角わ魚/守る神さらめ/真強くあれ 見守ら/又てだが穴の角の魚

一あかるいのかくのよ/むかて とふ かくわよ/まふるかみさらめ/まちよくあれ みまふら/又てたかあなのかくのよ

ふへのとりが節[edit]

13-894(149)

一東方の大主/吾 守て くれわれ/按司添いぎや/大国 早使い/又てだが穴の大主

一あかるいの大ぬし/あん まふて くれわれ/あんしおそいきや/ちやくに はやつかい/又てたかあなの大ぬし

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13-895(150)

一綾毛馬に/綾木鞍 掛けて/綾木鞭 取らちへ/追ゑたてゝ 走りやせ ゑ やれ/又奇せ毛馬に/奇せ木鞍 掛けて/奇せ木鞭 取らちへ

一あやきうまに/あやきくら かけて/あやきふち とらちへ/おゑたてゝ はりやせ ゑ やれ/又くせきうまに/くせきくら かけて/くせきふち とらちへ

はつにしやが節[edit]

13-896(151)

一東方の瑞嶽/瑞嶽わ 見居り/真強くわれ ころ/又てだが穴の瑞嶽

一あかるいのみつたけ/みつたけわ みより/まちよくあれ ころ/又てたかあなのみつたけ

はつにしやが節[edit]

13-897(152)

一東方の瑞嶽/瑞嶽わ 見居り/あれ みるろ のろ/肝 強く 持ち居われ/又てだが穴の瑞嶽/瑞嶽わ 見居り

一あかるいのみつたけ/みつたけわ めより のろ/あよ ちよく もちよわれ/又てたかあなのみつたけ/みつたけわ めより

大ゑとの節[edit]

13-898(153)

一一つ 二 六/七の弟者/生しよわれ/親遣らばてゝ/吾 走りやせ/又一つ 二 六/十の弟者/生しよわれ

一ふてつ た む/なゝのおとちや/なしよわれ/おややらはてゝ/わん はりやせ/又ふてつ た む/とうのおとちや/なしよわれ

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13-899(154)

一此れる 此れ 初北風/うらこしちへ 宣の君 使い/又此れる 此れ おきとば/又初北風す 待ち居たれ/又おきとばす 待ち居たれ

一これる これ はつにしや/うらこしちへ せのきみ つかい/又これる これ おきとは/又はつにしす まちよたれ/又おきとはす まちよたれ

しよりゑとの節[edit]

13-900(155)

一按司添いぎや親御船/島 見らば 久米あら/明日わ 那覇泊/親御船や/宣の君しよ 知りゆわめ/又おぎやか思いぎや親御船

一あちおそいきやおやおうね/しま みらは くめあら/あちやわ なはとまり/おやおうねや/せのきみしよ しりゆわめ/又おきやかもいきやおやおうね

しよりゑとの節[edit]

13-901(156)

一君南風は 崇べて/たすこ山 上て/撫で松は げらへて/羽撃ちがま 孵ちへ/飛ぶ鳥と 競いして 走りやせ/又うまのこが細工/真糸の縄 掛けて

一きみはいは たかへて/たすこやま のほて/なてまつは けらへて/はねうちかま すたちへ/とふとりと いそいして はりやせ/又うまのこかさゑく/まいとのなわ かけて

しよりゑとの節[edit]

13-902(157)

一謝名のあさが 船遣れ/真南風 押ちへ 来居り/吾は お知られ/敬てす 走りよれ/又意地気あさが 船遣れ/追手風 押ちへ 来居り/又遣り添いは 崇べて/真南風 乞うたれ/又親のろは 崇べて/真南風 乞うたれ/又大にしに 走りやさば/なよくらす 知りよわめ/又崎枝に 走りやさば/のろす 知りよわめ/又見拝みむ やぐめさ/崎々む やくめさ

一ちやなのあさか ふなやれ/まはへかせ おちへ きより/あは おしられ/おやまてす はりよれ/又いちへきあさか ふなやれ/おゑちへかせ おちへ きより/又やりおそいは たかへて/まはゑかせ こうたれ/又おやのろは たかへて/まはゑかせ こうたれ/又大にしに はりやさは/なよくらす しりよわめ/又さきよたに はりやさは/のろす しりよわめ/又みおかみむ やくめさ/さきむ やくめさ

しよりゑとの節[edit]

13-903(158)

一北谷に おわる/真太郎ひが親御船/せぢ 勝て/島討ち 勝りよわれ/又国の根に おわる/思い子の親御船/又押し出ぢへ遣り 走りやさば/うらこしちへ 走りやしよわ/又ぬき出ぢやし遣り 走りやさば/袖 垂れて 走りやせ/又戦端 立ちよわば/綾差羽 差しよわれ/又大国端 立ちよわば/奇せ差羽 差しよわれ

一きたたんに おわる/またらひがおやお[う]ね/せち まさて/しまうち まさりよわれ/又くにのねに おわる/おもいくわのおやおうね/又おしいちへやり はりやさは/うらこしちへ はりやしよわ/又ぬきいちやしやり はりやさは/そて たれて はりやせ/又いくさはな たちよわは/あやさはね さしよわれ/又ちやくにはな たちよわは/くせさはね さしよわれ

しよりゑとの節[edit]

13-904(159)

一大にしに 鳴響む/聞へなよくら/吾 守て/此の渡 渡しよわれ/又崎枝に 鳴響む

一大にしに とよむ/きこへなよくら/あん まふて/このと わたしよわれ/又さきよたに とよむ

しよりゑとの節[edit]

13-905(160)

一辺留ぬ子が やせの子が/船もどろ 押し浮けて/出ぢやさ数/せぢ 添わて 走りやせ/又細工 選で/接ぎ手 選で/速もどろ 押し浮けて/出ぢやさ数

一ひるしぬしか やせのこか/ふなもとろ おしうけて/いちやさかす/せち そわて はりやせ/又さゑく ゑらて/はきちへ ゑらて/はやもとろ おしうけて/いちやさかす

しよりゑとの節[edit]

13-906(161)

一辺留の子が 船遣れ/親御船は 押し浮けて/浮ける数/せぢ 添わて 走りやせ/又意地気あさか 船遣れ

一ひるのしか ふなやれ/おやおうねは おしうけて/うけるかす/せち そわて はりやせ/又いちへきあさか ふなやれ

しよりゑとの節[edit]

13-907(162)

一恩納子が 船遣れ/鈴富は 押し浮けて/親の神 崇べて/舞合ゑて/うらこしちへ 走りやせ/又やきしまが 船遣れ

一おんなしか ふなやれ/すつとみは おしうけて/おやのかみ たかへて/まやゑて/うらこしちへ はりやせ/又やきしまか ふなやれ

しよりゑとの節[edit]

13-908(163)

一おゑたちの親のろ/親のろは 崇べて/浦 鳴響む 羽撃ち富/孵ちへ/又押し分きの親のろ/又戦思いころがま/けさ細工 戻ちへ

一おゑたちのおやのろ/おやのろは たかへて/うら とよむ はねうちとみ/すたちへ/又おしわきのおやのろ/又いくさもいころかま/けささゑく もとちへ

しよりゑとの節[edit]

13-909(164)

一恩納子きや 船遣れ/押し分きは 崇べて/吾 守て/此の渡 渡しよわれ/又やきしまか 船遣れ/親のろは 崇べて

一おんなしきや ふなやれ/おしわきは たかへて/あん まふて/このと わたしよわれ/又やきしまか ふなやれ/おやのろは たかへて

はつにしやが節[edit]

13-910(165)

一せむらいの親のろ/親のろは 崇べて/撓い富 接ぎ浮けたる 清らや/又うつの浦の親のろ/親のろは 崇べて

一せむらいのおやのろ/おやのろは たかへて/しないとみ はきうけたる きよらや/又うつのうらのおやのろ/おやのろは たかへて

しよりゑとの節[edit]

13-911(166)

一せむらいの親のろ/親のろ 崇べて/吾 守て/此の渡 渡しよわれ/又うつの浦の親のろ/親のろは 崇べて

一せむらいのおやのろ/おやのろ たかへて/あん まふて/このと わたしよわれ/又うつのうらのおやのろ/おやのろは たかへて

しよりゑとの節[edit]

13-912(167)

一今帰仁に 立つ雲/金雲 立ち居り/大君に/追手 乞うて 走りやせ/又金比屋武に 立つ雲/銀雲 立ち居り

一みやきせんに たつくも/こかねくも たちより/大きみに/おゑちへ こうて はりやせ/又かなひやふに たつくも/なむちやくも たちより

しよりゑとの節[edit]

13-913(168)

一しませんこ親のろ/親のろは 崇べて/按司添いに/貢 積で みおやせ/又あけしのの親のろ

一しませんこおやのろ/おやのろは たかへて/あちおそいに/かまへ つて みおやせ/又あけしののおやのろ

しよりゑとの節[edit]

13-914(169)

一沖道な笑い人/笑い人は 崇べて/吾 守て/此の渡 渡しよわれ/又小離れの笑い人

一おきみつなわらいきよ/わらいきよは たかへて/あん まふて/このと わたしよわれ/又こはなれのわらいきよ

しよりゑとの節[edit]

13-915(170)

一しませんこ親のろ/親のろは 崇べて/浮き清らは げらへて/金 積で/首里かち 走りやせ/又今帰仁の親のろ/親のろは 崇べて

一しませんこおやのろ/おやのろは たかへて/うききよらは けらへて/こかね つて/しよりかち はりやせ/又みやきせんのおやのろ/おやのろは たかへて

[edit]

13-916(171)

一真北上風の よい/今帰仁 音 し遣り/掻ゑ撫で 掻い撫で 送らに/又追手上風の よい/今帰仁 音 し遣り

一まにしてうかせの よい/みやきせん ね しやり/かゑなて かいなて おこらに/又おゑちへてうかせの よい/みやきせん ね しやり

あくかべよゆはりあまやかせが節[edit]

13-917(172)

一崎ぎや杜ぐすく/左方 浮けわちへ/吾が成さが/良 走り 歓やかせ/又崎ぎや杜ぐすく/右方 浮けわちへ

一さちきやもりくすく/ひちやりかた おけわちへ/あかなさか/ゆ はり あまやかせ/又さちきやもりくすく/にきりかた うけわちへ

しよりゑちとの節[edit]

13-918(173)

一伊平屋の親のろよ/聞ゑまねこせよ/吾 守て/此渡 渡しよわれ/又田名の親のろよ

一いひやのおやのろよ/きこゑまねこせよ/おん まふて/此と わたしよわれ/又たなのおやのろよ

しよりゑとの節[edit]

13-919(174)

一伊是名親のろよ/若人愛しけが御船/飛ぶ鳥る 隼る かに ある/又離れ親のろよ/若人愛しけが御船

一いちゑなおやのろよ/わかきよかなしけかおうね/とふとりる はやふさる かに ある/又はなれおやのろよ/わかきよかなしけかおうね

しよりゑとの節[edit]

13-920 (175)

一伊平屋の子が 船遣れ/崇べてす 乞うたれ/追手 乞うて/思様に 走りやせ/又押し分きの親のろ

一ゑひやのしか ふなやれ/たかへてす こうたれ/おゑちへ こうて/おもやに はりやせ/又おしわきのおやのろ

しよりゑとの節[edit]

13-921(176)

一屋嘉比杜 おわる/親のろは 崇べて/吾 守て/此の渡 渡しよわれ/又あかまるに おわる/てくの君 崇べて

一やかひもり おわる/おやのろは たかへて/あん まふて/このと わたしよわれ/又あかまるに おわる/てくのきみ たかへて

はねうちしちへはりよるきよらやが節[edit]

13-922(177)

一辺戸に おわる ましらて/ましらては 崇べて/吾 守て/此渡 渡しよわれ/又奥に おわる ましらて/ましらては 崇べて

一へとに おわる ましらて/ましらては たかへて/あん まふて/此と わたしよわれ/又おくに おわる ましらて/ましらては たかへて

首里ゑとの節[edit]

13-923(178)

一国笠の親のろ/親のろは 崇べて/かに はねて/按司添いに みおやせ/又国笠の若のろ/若のろは 崇べて

一くにかさのおやのろ/おやのろは たかへて/かに はねて/あちおそいに みおやせ/又くにかさのわかのろ/わかのろは たかへて

とまりみぢへりきよが節[edit]

13-924(179)

一辺戸のなよ宣り人/羽撃ちしちへ/走り居る 清らや/又久高鳴響み御船/又首里鳴響み御船

一へとのなよせりきよ/はねうちしちへ/はりよる きよらや/又こたかとよみおうね/又しよりとよみおうね

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13-925(180)

一おれづむが 立ち居れば/吾があしやつ 神あしやげ/おなり神 手摩り居ら/大君に/真南風 乞うて 走りやせ/又若夏が 立ち居れば

一おれつむか たちよれは/あかあしやつ かみあしやけ/おなりかみ てつりよら/大きみに/まはゑ こうて はりやせ/又わかなつか たちよれは

いきやあるかつれんが節[edit]

13-926(181)

一鬼殿が 船もどろ 押し浮けて/此の渡内の うらこや/又鬼殿が 速もどろ/又青波が てとりけと 敬て/又白波が やかた口 敬て/又鬼殿が 垂れきゝ帯 敬て/又鬼殿が 垂れ袴 敬て

一おによとのか ふなもとろ おしうけて/このとうちへ うらこや/又おによとのか はやもとろ/又あおなみやか てとりけと おやまて/又しらなみや やかたくち おやまて/又おによとのか たれきゝおひ おやまて/又おによとのか たれはかま おやまて

はつにしやが節[edit]

13-927(182)

一国笠に おわる/親のろは 崇べて/島討ちしちへ/按司添いに みおやせ/又屋嘉比杜 おわる/金丸は 崇べて/又あかまるに おわる/てくの君 崇べて/安須杜に おわる/ましらては 崇べて/又奥杜に おわる/玉のきやく 崇べて

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13-928(183)

一かゑふたの親のろ/とからあすび 崇べて/うらこしちへ/袖 垂れて 走りやせ/又値の島の親のろ/又のろは 崇べて/又神々は 崇べて/又北風 乞わば 北風なれ/又南風 乞わば 南風なれ

一かゑふたのおやのろ/とからあすひ たかへて/うらこしちへ/そて たれて はりやせ/又ねのしまのおやのろ/又のろは たかへて/又かみは たかへて/又にし こわは にしなれ/又はゑ こわは はゑなれ

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13-929(184)

一かゑふたの親のろ/親御船よ 守りよわ/舞合ゑて 見守て[す] 走りやせ/又根の島ののろ/又のろす 知りよわめ/又神々す 知りよわめ

一かゑふたのおやのろ/おやおうねよ まふりよわ/まやゑて みまふて[す] はりやせ/又ねのしまののろ/又のろす しりよわめ/又かみす しりよわめ

しよりゑとの節[edit]

13-930(185)

一かゑふたの親のろ/真徳添に 通て/按司添いに/金 積で みおやせ/又根の島の親のろ

一かゑふたのおやのろ/まとくうらに かよて/あちおそいに/金 つて みおやせ/又ねのしまのおやのろ

はつにしやが節[edit]

13-931(186)

一与論こいしのが/真徳浦に 通て/島 かねて/按司添いに みおやせ/又離れこいしのが

一よろんこいしのか/まとくうらに かよて/しま かねて/あちおそいに みおやせ/又はなれこいしのか

はつにしやが節[edit]

13-932(187)

一与論こいしのが/真徳浦に 通て/玉金/按司添いに みおやせ/又根国こいしのが

一よろんこいしのか/まとくうらに かよて/玉金/あちおそいに みおやせ/又ねくにこいしのか

はつにしやが節[edit]

13-933(188)

一かゑふたの親のろ/とからあすび 崇べて/吾 守て/此渡 渡しよわれ/又根の島の親のろ

一かゑふたのおやのろ/とからあすひ たかへて/あん まふて/此と わたしよわれ/又ねのしまのおやのろ

へどのなよせりきよはねうちしちへが節[edit]

13-934(189)

一国の撫でしのが/撫でしのが 船遣れ/和々と/和やけて 走りやせ/又国の御宣り人が/御宣り人が 船遣れ/又神や おなり神/ころは いしゑけり/又嘉津宇嶽 取た物/蒲葵嶽 取た物

一くにのなてしのか/なてしのか ふなやれ/なこなこと/なこやけて はりやせ/又くにのみちへりきよか/みちへりきよか ふなやれ/又かみや おなりかみ/ころは いしゑけり/又かつおうたけ とた物/こはうたけ とた物

しよりゑとの節[edit]

13-935(190)

一永良部世の主の/御船 橋 しよわちへ/永良部島 成ちやる/又離れ世の主の

一ゑらふ世のぬしの/おうね はし しよわちへ/ゑらふしま なちやる/又はなれ世のぬしの

首里ゑとの節[edit]

13-936(191)

一永良部世の主の/選でおちやる 御駄群れ/御駄群れや/世の主ぢよ 待ち居る/又離れ世の主の/又金鞍 掛けて/与和泊 降れて

一ゑらふよのぬしの/ゑらておちやる みちやふれ/みちやふれや/世のぬしちよ まちよる/又はなれ世のぬしの/又金くら かけて/よわとまり おれて

はつにしやが節[edit]

13-937(192)

一永良部せりよさに/端漕ぎ 走り競ゑて/歓へ子が 守りよわるゑそこ/又離れせりよさに

一ゑらふせりよさに/はこき はりそゑて/あまへこか まふりよわるゑそこ/又はなれせりよさに

しよりゑとの節[edit]

13-938(193)

一勝連が 船遣れ/請け 与路は 橋 し遣り/徳 永良部/頼り為ちへ みおやせ/又ましふりが 船遣れ

一かつれんか ふなやれ/うけ よろは はし しやり/とく ゑらふ/たよりなちへ みおやせ/又ましふりか ふなやれ

しよりゑとの節[edit]

13-939(194)

一勝連が 船遣れ/船遣れど 御貢/喜界 大みや/直地 成ちへ みおやせ/又ましふりが 船遣れ

一かつれんか ふなやれ/ふなやれと みかまへ/きゝや 大みや/ひちやち なちへ みおやせ/又ましふりか ふなやれ

はつにしが節[edit]

13-940(195)

一里中のころがま/一の櫂 真強く/歓へ子が 守りよわるゑそこ/又としらもいころがま/又田皆嶽 見居り/又西銘嶽 見居り/又せりよさのはつき/走り来居り/あけより

一さと中のころかま/いちのたし まちよく/あまへこか まふりよわるゑそこ/又としらもいころかま/又たみなたけ めより/又にしめたけ めより/又せりよさのはつき/はへきおり/あけより

しよりゑとの節[edit]

13-941(196)

一永良部やむま嶽/おさん為る 神々/吾 守て/此渡 渡しよわれ/又離れやむま嶽

一ゑらふやむまたけ/おさんする かみ/あん まふて/此と わたしよわれ/又はなれやむまたけ

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13-942(197)

一永良部 おわる 三十のろ/三十のろは 崇べて/吾 守て/此渡 渡しよわれ/又離れ おわる 三十のろ

一ゑらふ おわる みそのろ/みしのろは たけへて/あん まふて/此と わたしよわれ/又はなれ おわる みそのろ

しよりゑとの節[edit]

13-943(198)

一徳山の撫で松/親御船は 孵ちへ/飛ぶ鳥と 競いして 走り[や]せ/又西嶽の撫で松

一とくやまのなてまつ/おやおうねは すたちへ/とふとりと いそいして はり[や]せ/又にしたけのなてまつ

しよりゑとの節[edit]

13-944(199)

一徳に おわる 三十のろ/三十のろは 崇べて/吾 守て/此渡 渡しよわれ/又徳に おわる 四十のろ/四十のろは 崇べて

一とくに おわる みそのろ/みそのろは たかへて/あん まふて/此と わたしよわれ/又とくに おわる よそのろ/よそのろは たかへて

しよりゑとの節[edit]

13-945(200)

一与路渡 出ぢへて 走り居れば/たかまるは 崇べて/吾 守て/此渡 渡しよわれ/又此渡 出ぢへて 走り居れば/けなち嶽 崇べて

一よろと いちへて はりよれは/たかまるは たかへて/あん まふて/此と わたしよわれ/又此と いちへて はりよれは/けなちたけ たかへて

しよりゑとの節[edit]

13-946(201)

一赤木名ののろの/下の国かねと/吾 守て/此渡 渡しよわれ/又根の島ののろの

一あかきなののろの/しものくにかねと/あん まふて/此と わたしよわれ/又ねのしまののろの

しよりゑとの節[edit]

13-947(202)

一赤木名の百神/親勢頭部 送りよわ/親勢頭部 御前/心切れて/又根の島の八十のろ

一あかきなのもゝかみ/おやせとへ おこりよわ/おやせとへ 御まへ/うらきれて/又ねのしまのやそのろ

しよりゑとの節[edit]

13-948(203)

一聞ゑ西杜に/世誇りは げらへて/御宣り人す/煽りやゑて 走りやせ/又鳴響む中杜に/棚清らは 押し浮けて/又つる思いのこらが/親御船は 押し浮けて/又今日の良かる日に/親御船は 押し浮けて/又今日のきやる日に/親御船は 押し浮けて/又按司添いぎや 御為す/板清らは 押し浮けて/又貴み人が 御為す/棚清らは 押し浮けて

一きこゑにしもりに/世ほこりは けらへて/みちへきよす/あおりやゑて はりやせ/又とよむ中もりに/たなきよらは おしうけて/又つるもいのこらか/おやおうねは おしうけて/又けおの世かるひに/おやおうねは おしうけて/又けおのきやるひに/おやおうねは おしうけて/又あちおそいきや おためす/いたきよらは おしうけて/又たゝみきよか おためす/たなきよらは おしうけて

しよりゑとの節[edit]

13-949(204)

一名瀬の祭神/有屋奇せ宣り人/瀬名波掟/追手 乞うて 走りやせ/又伊津部祭神/又名瀬の浦の八里/有屋奇せ宣り人/又名瀬の浦の十里/有屋奇せ宣り人

一なせのまつりかみ/あるやくせせりきよ/せなはおきて/おゑちへ こうて はりやせ/又いつふまつりかみ/又なせのうらの八さと/あるやくせせりきよ/又なせのうらの十さと/あるやくせせりきよ

はつにしやが節[edit]

13-950(205)

一そよめきぎや もちよる/神にしやが もちよる/で 吾 しくたんか/又真南風 吹き居れば/追手風 吹き居れば/又おわん嶽 ぬき当てゝ/てらち嶽 ぬき当てゝ

一そよめききや もちよる/かみにしやか もちよる/て わん しくたんか/又まはへかせ ふきよれは/おゑちへかせ ふきよれは/又おわんたけ ぬきやてゝ/又てらちたけ ぬきやてゝ

しよりゑとの節[edit]

13-951(206)

一伊平屋大屋子が/見つけたる 小離れかち/くれ手 走り居れば/宣ん君しよ/帆笠 添て 守れ/又離れ大屋子が

一いゑや大やこか/みつけたる 小はなれかち/くれて はりよれは/せんきみしよ/ほかさ おそて まふれ/又はなれ大やこか

しけかけのかみにしやか節[edit]

13-952(207)

一ゑまし人が/け下にやが 船遣れ/羨みちへ/肝ちや うらこやい/又中城 島添いや 見居り/又西嶽む 東嶽む 見居り

一ゑましきよか/け下にやか ふなやれ/うらよみちへ/きもちや うらこやい/又中くすく しまおそいや めより/又にしたけむ ひかたけむ めより

いきやあるかつれんが節[edit]

13-953(208)

一鈴鳴りぎや/船心 知らたな/追手 乞うて 走りやさに/又神にしやが/船心 知るたな/追手 乞うて

一すつなりきや/ふなこゝろ しらたな/おゑちへ こうて はりやさに/又かみにしやか/ふなこゝろ しらたな/おゑちへ こうて

うちいではわくのしつらへが節[edit]

13-954(209)

一かさす下垂りやがよ/四島 寄せれ/又かさす濡れ髪やがよ/又下垂りやが 御弟者/又濡れ髪やが 御弟者/又船このみ しよわちへ/又旅このみ しよわちへ

一かさすしちやたりやかよ/よしま よせれ/又かさすぬれはみやかよ/又しちやたりやか みおとちや/又ぬれはみやか みおとちや/又ふなこのみ しよわちへ/又たひこのみ しよわちへ

うちいではややのきくたけの節[edit]

13-955(210)

一西嶽に おわる/嶽の雪加那志しよ/久米の島神やれ/久米の珍らしやよ/又東嶽に おわる/聞ゑ雪加那志/又にるや地に 着ければ/おうちよのが やぐめさ/又西嶽に 着ければ/にるや地が やぐめさ/又白米に 着ければ/世よ中に 着けれ/又たりろから 聞ゝゑば/けにろから 聞ゝゑば/又久米の島 通れば/金の島 通れば/又金福に おわる/具志川に おわる/又聞ゑ按司添いぎや/鳴響む按司添いぎや/又浦貢 寄せて/初貢 寄せて/又御船 接ぐてうむ/み御船 接ぐてうむ/又今鳴響み 着けて/今勝り 着けて

一にしたけに おわる/たけのよきかなししよ/くめのしまかみやれ/くめのめつらしやよ/又ひかたけに おわる/きこゑよきかなし/又にるやちに つけれは/おうちよのか やくさめ/又にしたけに つけれは/にるやちか やくさめ/又しらよねに つけれは/世よ中に つけれ/又たりろから きゝゑは/けにろから きゝゑは/又くめのしま とうれは/かねのしま とうれは/又かなふくに おわる/くしかわに おわる/又きこゑあしおそいきや/とよむあんしおそいきや/又うらかない よせて/はつかない よせて/又おうね はくてうむ/みおうね はくてうむ/又いみやとよみ つけて/いみやまさり つけて

はつにしやか節[edit]

13-956(211)

一いくら渡のころがま/一の櫂 真強く/吾がころが 艫 舳の つるぎ/又さふら渡のころがま/一の櫂 真強く/吾がころが 艫 舳の つるぎ/又此の渡まこ嶽に/安和の君鳴る子/首里の珍らしや/又大渡まこ嶽に/又平安座 平安座崎 廻る

一いくらとのころかま/いちのたし まちよく/あかころか とも はいの つるき/又さふらとのころかま/いちのたし まちよく/あかころか とも はいの つるき/又このとまこたけに/あわのきみなるし/しよりのめつらしや/又大とまこたけに/又ひやもさ さき まわる

こばせりきよみやりぼしやが節[edit]

13-957(212)

一大みつのみて思い/追手 乞うて 走りやせ/又古里のみて思い/又みて思いぎや 初旅/又みて思いが 新旅/又御酒盛り所/又御神酒盛り所/又儕輩は 誘て/又乳弟者は 誘て

一大みつのみてもい/おゑちへ こうて はりやせ/又ふるさとのみてもい/又みてもいきや おひたひ/又みてもいか あらたひ/又よさけもりところ/又よみきもりところ/又ともからは さそて/又ちおとちや さそて

しよりゑとの節[edit]

13-958(213)

一永良部むすひ思へ/くれるてや 成ちやな/今こより/珍ら声 遣らに/又旅 立つ 吾や/又夏手無しやれば/肌からむ 触らん/又つしやの玉やれば/頸からむ 触らん

一ゑらふむすひよもへ/くれるてや なちやな/いみやこより/めつらこゑ やらに/又たひ たつ あんや/又なつたなしやれは/はたからむ さわらん/又つしやのたまやれは/くひからむ さわらん

かうちすづなりが節[edit]

13-959(214)

一聞ゑ君加那志がよ/国勝り親のろ/ゑけ 四島からど/珍らしや 有る/又鳴響む君加那志がよ/又朝凪れが し居れば/又夕凪れが し居れば/又板清らは 押し浮けて/又棚清らは 押し浮けて

一きこゑきみかなしかよ/くにまさりおやのろ/ゑけ よしまからと/めつらしや ある/又とよむきみかなしかよ/又あさとれか しよれは/又ようとれか しよれは/又いたきよらは おしうけて/又たなきよらは おしうけて

かうちすづなりが節[edit]

13-960(215)

一聞へ君加那志がよ/やちよく達 真人 ふさの/寄り合ふ島 走ちへおわちへ/又鳴響む君加那志がよ/又朝凪れが し居れば/又夕凪れが し居れば/又板清らは 押し浮けて/又棚清らは 押し浮けて

一きこへきみかなしかよ/やちよくた まちよ ふさの/よりあふしま はちへおわちへ/又とよむきみかなしかよ/又あさとれか しよれは/又ようとれか しよれは/又いたきよらは おしうけて/又たなきよらは おしうけて

とまりみぢへりきよが節[edit]

13-961(216)

一宜寿次大屋子/意地気大屋子/赤頭部よ 良 走り 歓やかせ/又文月 しめ嵐に/又八月 しめ嵐に/又按司添いが親御船/思い子の親御船/又天久のろ 崇べて/親のろは崇べて/又出ぢへててゝ 知られゝ/走り居りてゝ 知られゝ/又泊 知らねども/口や 知らねども

一きすゝ大やこ/いちき大やこ/あくかへよ よ はり あまやかせ/又ふつき しめあらしに/又はつき しめあらしに/又あんしおそいかおやおうね/おもいくわのおやおうね/又あめくのろ たかへて/おやのろは たかへて/又いちへててゝ しられゝ/はりよりてゝ しられゝ/又とまり しらねとも/くちや しらねとも

おきなわのいよの節[edit]

13-962(217)

一おぎやか按司はゑや/島寄せが群れ舞へど 見物/又はたみ戦子が/又御酒欲しや 有らす/御船 寄り添いよ/又しけち欲しや 有らす/御船 寄り添いよ

一おきやかあんしはゑや/しまよせかふれまへと みもん/又はたみいくさこか/又御さけほしや あらす/おうね よりそいよ/又しけちほしや あらす/おうね よりそいよ

はつにしやが節[edit]

13-963(218)

一うふ玉に おわる/聞ゑおわもりや/久米 見ぎや おわちへ/又そこにや嶽 おわる/又此れる 此れ 久米と/又此れ 此れ おべこもり

一うふたまに おわる/きこゑおわもりや/くめ みきや おわちへ/又そこにやたけ おわる/又これる これ くめと/又これ これ おへこもり

あまみよの節[edit]

13-964(219)

一かけめなの潮の/押し合い波 立てば/何 見ちへが なよる/君 見ちへす なよれ/又押し合い波 立てば/寄り合い波 立てば

一かけめなのしほの/おしあいなみ たては/きみ みちへか なよる/きみ みちへす なよれ/又おしあいなみ たては/よりあいなみ たては

すゞなりがふなやれの節[edit]

13-965(220)

一吾がおなり御神の/守らてゝ おわちやむ/やれ ゑけ/又弟おなり御神の/又綾蝶 成りよわちへ/又奇せ蝶 成りよわちへ

一あかおなりみかみの/まふらてゝ おわちやむ/やれ ゑけ/又おとおなりみかみの/又あやはへる なりよわちへ/又くせはへる なりよわちへ

いきやるかつれんが節[edit]

13-966(221)

一煽りやへや/戦出ぢへす ちよわれ/差笠は/脇楫 取て 走りやせ/又煽りやへや/あいつます ちよわれ/差笠

一あおりやへや/いくさいちへす ちよわれ/さすかさは/わきかし とて はりやせ/又あおりやへや/あいつます ちよわれ/さすかさ

はつにしやが節[edit]

13-967(222)

一奥渡 舞う 鬼鷲/つゝが上 使い/吾 守て/此の渡 渡しよわれ/又渡中 舞う 鬼鷲/せひが上 使い

一おくと まう おにわし/つゝかうゑ つかい/あん まふて/このと わたしよわれ/又となか まう おにわし/せひかうゑ つかい

もちよるふなさきの節[edit]

13-968(223)

一ゆらふさが/京の降れの さうしや/成さい人思い/御面影 立ちちへ/又きとかさに/けさげらへ 有り居り/又国笠が/ゑんげらへ 有り居り/又若のろが/京の降れの さうしや/又きちよかさに/うち人 持ち成し/成さい人思い

一ゆらふさか/けおのおれの さうしや/なさいきよもい/みおもかけ たちちへ/又きとかさに/けさけらへ ありより/又くにかさか/ゑんけらへ ありより/又わかのろか/けおのおれの さうしや/又きちよかさに/うち人 もちなし/なさいきよもい

しよりゑとの節[edit]

13-969(224)

一久米の島 在つる/磁石金 渡ちへ/こ首里杜 上せて/按司添いに みおやせ/又金の島 在つる

一くめのしま あつる/つしやこかね わたちへ/こしよりもり のほせて/あちおそいに みおやせ/又かねのしま あつる

うちいぢへはうらはへが節[edit]

13-970(225)

一いやや吾が成さい人/浦の鳴り鳴響み/依り笠が 誇て/又いやゝ大成さい人

一いややあかなさいきよ/うらのなりとよみ/よりかさか ほこて/又いやゝなさいきよ

いちやはなおもろの節[edit]

13-971(226)

一辺戸の御宣り人が/出ぢへて 実に 走り居る/我が浦の珍らしや/疾く 走りやせ/又辺戸のなよ宣り人/又局 けさ殿よ

一へとのみちへりきよか/いちへて けに はりよる/わかうらのめつらしや/とおく はりやせ/又へとのなよせりきよ/又つほね けさとのよ

あけしのが節[edit]

13-972(227)

一神加那志 神清ら/描き鳥/舞合う島/走ちへおわちへ/又のろ加那志 のろにしや/又朝凪れが し居れば/又夕凪れが し居れば/又板清らは 押し浮けて/又棚清らは 押し浮けて

一かみかなし かみきよら/ゑかきとり/まやうしま/はちへおわちへ/又のろかなし のろにしや/又あさとれか しよれは/又ようとれか しよれは/又いたきよらは おしうけて/又たなきよらは おしうけて

あけしのが節[edit]

13-973(228)

一聞ゑあけしのが/浜千鳥 追ゑ立て/追へ/\と 追ゑ立て/我が浦の 浦走りぎや 見物/又鳴響むあけしのが/又朝凪れが し居れば/又夕凪れが し居れば/又船子 選で 乗せわちへ/又手楫 選で 乗せわちへ

一きこゑあけしのか/はまちとり おゑたて/おへ/\と おゑたて/わかうらの うらはりきや みもん/又とよむあけしのか/又あさとれか しよれは/又ようとれか しよれは/又ふなこ ゑらて のせわちへ/又てかち ゑらて のせわちへ

あけしのが節[edit]

13-974(229)

一聞ゑあけしのが/上下 鳴響む/庭 あしやげ げらへて/又鳴響むあけしのが

一きこゑあけしのか/かみしも とよむ/みや あしやけ けらへて/又とよむあけしのか

あけしのが節[edit]

13-975(230)

一聞ゑあけしのが/明けもどろ やもどろ/艫 涌き上げ/沖縄に 使い/又鳴響むあけしのが/又朝凪れが し居れば/又夕凪れが し居れば/又板清らは 押し浮けて/又棚清らは 押し浮けて/又船子 選で 乗せわちへ/又手楫 選で 乗せわちへ

一きこゑあけしのか/あけもとろ やもとろ/とも わきやけ/おきなわに つかい/とよむあけしのか/又あさとれか しよれは/又ようとれか しよれは/又いたきよらは おしうけて/又たなきよらは おしうけて/又ふなこ ゑらて のせわちへ/又てかち ゑらて のせわちへ

あけしのが節[edit]

13-976(231)

一聞へせぢ新君/大島 鳴響む おもかは/上がて おわちへ/成さい人 行き合て 見よわちへ/又鳴響むせぢ新君/又明ける月 船頭 し遣り/又直り月 船頭 し遣り

一きこへせちあらきみ/たしま とよむ おもかは/あかて おわちへ/なさいきよ いきやて みよわちへ/又とよむせちあらきみ/又あける月 せと しやり/又なおり月 せと しやり

はつにしやが節[edit]

13-977(232)

一東方の大主/清らの花の 咲き居れば/あれ 見れよ 清ら君/又てだが穴の大主

一あかるいの大ぬし/ちうらのはなの さきおれは/あれ みれよ きよらきみ/又てたかあなの大ぬし

はつにしやが節[edit]

13-978(233)

一東方の大主/大主がみ御前に/金精 降ろちへ/島 揃て/按司添いに みおやせ/又てだが穴の大主

一あがるいの大ぬし/がみ御まへに/こかねすへ おろちへ/しま そろて/あちおそいに みおやせ/又てたかあなの大ぬし

はつにしやが節[edit]

13-979(234)

一東方の大主/聞へ国治り人/色 勝り/真手持ち貴み/又てだが穴の大主

一あかるいの大ぬし/きこへくにせりきよ/いろ まさり/まてもちたゝみ/又てたかあなの大ぬし

はつにしやが節[edit]

13-980(235)

一東方の大主/綾の天 凪らちへ/やゝのや奇せ 火照らちへ/按司添いが御前かち/又聞ゑ国治り人が

一あかるいの大ぬし/あやの天 とらちへ/やゝのやくせ ほてらちへ/あんしおそいか御まへかち/又きこゑくにせりきよか

はつにしやが節[edit]

13-981(236)

一東方の大主/が御前に/九年母木は 植へておちへ/おれづむ 待たな/いな ちや花 咲ちやる

一あかるいの大ぬし/が御まへに/くねんふけは おへておちへ/おれつむ またな/いな ちやはな さちやる