おもろさうし/第六

From Wikisource
Jump to navigation Jump to search
おもろさうし  (1623) 
第六
首里大君せんきみ君がなし もゝとふみあがりきみの つんじのおもろ御さうし 天啓三年癸亥三月七日

首里大君せんきみ君がなし もゝとふみあがりきみの つんじのおもろ御さうし 天啓三年癸亥三月七日 第六

あぢそいしよよせりが節[edit]

6-291(1)

一首里大君ぎや/鳴響む国添いが/国 栄て ちよわれ/又京の内に もとて/もちろ内 もとて/又成さい人思い按司添い/成さい人思い貴み人/又眼 合わちへ 並で/又御顔 合わちへ 並で/又明けま年 成らば/又向かう年 成らば/又君手摩り 誇り/神使い このめ/又今日とまに 依り降れや/吉日選びの 依り降れや/又寄り満ちへが おより/せぢ寄せが なおさ/又降られ数 守ら/遊ば数 搔いゑら

一しより大きみきや/とよむくにおそいか/くに ふさて ちよわれ/又けおのうちに もとて/又もちろうち〔に〕 もとて/又なさいきよもいあちおそい/又なさいきよもいたゝみきよ/又あまこ あわちへ ならて/又みきやう あわちへからわ/又あけまとし ならは/又むかうとし ならは/又きみてつり ほこり/かみつかい このめ/又けおとまに よりおれや/ゑかゑらひの ゆりおれや/又よりみちへか おより/せちよせか なおさ/又おれらかす まふら/あすはかす かいなてら

[edit]

6-292(2)

一首里大君ぎや/末 選び遣り 降れわちへ/君ぎやせぢ/もちよる為ちへ みおやせ/又鳴響む国守りぎや/真末 選び遣り 降れわちへ/又首里杜 ちよわる/英祖にや末按司添い/又真玉杜 ちよわる/てだが末按司添い/又見物内の真庭に/国揚がりは 煽らちへ/又かわるめの 御内に/君撓い 煽らちへ/又聞得大君ぢよ/ゑりちよ 遣り交わちへ

一しより大きみきや/すへ ゑらひやり おれわちへ/きみきやせち/もちよるなちへ みおやせ/又とよむくにもりきや/ませ ゑらひやり おれわちへ/又しよりもり ちよわる/てたかすへあちおそい/又みもんうちのまみやに/くにあかりは あふらちへ/又かわるめのみうちに/きみしない あふらちへ/又きこへ大きみちよ/ゑりちよ やりかわちへ

あおりやへが節[edit]

6-293(3)

一首里大君ぎや/此の吉日の 依り降れや/末にぎやめ/真強く ちよわれ/又鳴響む国添いぎや/此のきらの 憑き降れや/又貴み人/肝 栄へて 遊で/見物清ら 煽らちへ/おぼつ嶽 行きちへ/又国栄い 押し立て/神座杜 響ちへ/又大君に よ治られ/てるかはに 宣立てれ

一しより大きみきや/このゑかの よりおれや/すへにきやめ/まちよく ちよわれ/又とよむくにおそいきや/このきらの つきおれや/又たゝみきよ/きも はへて あすて/〔又〕みもんきよら あふらちへ/おほつたけ よきちへ/又くにふさい おしたて/かくらもり ひゝちへ/又大きみに よしられ/てるかはに のたてれ

あおりやへが節[edit]

6-294(4)

一首里大君ぎや/首里杜 降れわちへ/按司添いしゆ/せぢ 勝て ちよわれ/又鳴響む君鳴響みぎや/真末 願て 降れわちへ/又あまみやから/精の君やれば/しねりやから/相手君やれば/又さしふ 五ころに/見守てす 降れたれ/又むつき 七ころに/搔い撫でてす 降れたれ/又大君ぎや 御想ぜ/てるかはは 宣立てゝ

一しより大きみきや/しよりもり おれわちへ/あんしおそいしゆ/せち まさて ちよわれ/又とよむきみとよみきや/ませ ねかて おれわちへ/又あまみやから/すへのきみやれは/〔又〕しねりやから/あいちへきみやれは/又さしふ 五ころに/みまふてす おれたれ/又むつき 七ころに/かいなててす おれたれ/又大きみきや 御さうせ/てるかはは のたてゝ

首里天尚寧王がなし之御代 万暦三十五年未の年十月十日己の巳の日に、君手摩りの百果報事の時に、首里大君の御前より給申

あおりやへが節[edit]

6-295(5)

一首里大君ぎや/首里杜 降れわちへ/按司添いしよ/せぢ 勝て ちよわれ/又鳴響む国添いぎや/真玉杜 降れわちへ/又按司添いが おより/王にせが おより/きらの数 降れわちへ/吉日の数 降れわちへ/又降られ数 見守ら/遊ぶ数 見守ら

一しより大きみきや/しよりもり おれわちへ/あんしおそいしゆ/せち まさて ちよわれ/又とよむくにおそいきや/またまもり おれわちへ/又あんしおそいか おより/わうにせか おより/きらのかす おれわちへ/ゑかのかす おれわちへ/又おれらかす みまふら/あすはかす みまふら

尚永王加那志之御代 万暦十五年亥の年十月十八日癸の酉の日に、宣ん君の御前の憑かり変わり召され候時に給候

あおりやへが節[edit]

6-296(6)

一聞ゑ宣ん君ぎや/成り人 降れ栄て/成さい人思い王にせ/せぢ 勝て ちよわれ/又鳴響む君鳴響みぎや/いけな 降れわちへ/又見物内の真庭に/遊で直ちへからわ/かわるめの真庭に/誇て直ちへからわ/又さしふ 五ころに/降れ直ちへからは/又むつき 七ころに/見守てす 降れたれ/又首里杜 ちよわる/吾が成さい人王にせ/末 長く/せぢ 勝て ちよわれ/又真玉杜 ちよわる/吾が成さい人王にせ

一きこゑせんきみきや/なりきよ おれふさて/なさいきよもいわうにせ/せち まさて ちよわれ/又とよむきみとよみきや/いけな おれなおちへ/又みもんうちのまみやに/あすてなおちへからわ/〔又〕かわるめのまみやに/ほこてなおちへからわ/又さしふ 五ころに/おれなおちへからわ/又むつき 七ころに/みまふてす おれたれ/又しよりもり ちよわる/あかなさいきよわうにせ/すゑ なかく/せち まさて ちよわれ/又またまもり ちよわる/あかなさいきよわうにせ

尚寧王加那志御代 万暦三十五年未の年十月十日己の巳の日に、宣んの君の御前より給申候

あおりやへが節[edit]

6-297(7)

一聞ゑ宣ん君ぎや/末 尋まへて 降れわちへ/按司添いに/島が命 みおやせ/又鳴響む君鳴響みぎや/真末 願て 降れわちへ/あまみやから/精の君やれば/又しねりやから/相手君やれば/又さしふ 五ころに/見守てす 降れたれ/又むつき 七ころに/搔い撫でてす 降れたれ/又大君ぎや 御想ぜ/てるかはは 宣立てゝ

一きこゑせんきみきや/すへ とまへて おれわちへ/あんしおそいに/しまかいのち みおやせ/又とよむきみとよみきや/ませ ねかて おれわちへ/〔又〕あまみやから/すゑのきみやれは/又しねりやから/あいちへきみやれは/又さしふ 五ころに/みまふてす おれたれ/又むつき 七ころに/かいなててす おれたれ/又大きみきや 御さうせ/てるかはは のたてゝ

きみがなしおもろの節[edit]

6-298(8)

一聞ゑ君加那志/あれあれ 歓へれ やちよこ/又鳴響む君加那志/又首里杜ぐすく/又真玉杜ぐすく/又今年 果報年/又今年 生まれ年

一きこゑきみかなし/あれ あまへれ やちよこ/又とよむきみかなし/又しよりもりくすく/又またまもりくすく/又ことし かほうとし/又ことし うまれとし

きみがなしおもろの節[edit]

6-299(9)

一聞ゑ君加那志/思う様に げらへ/世の頂 ちよわれ/又鳴響む君加那志/又何時む 何時む/又聞ゑ按司添いや/又鳴響む按司添いや

一きこへきみかなし/おもうやに けらへ/世のつち ちよわれ/又とよむきみかなし/いつむ いつむ/又きこゑあんしおそいや/又とよむあんしおそいや

きみがなしおもろの節[edit]

6-300(10)

一聞ゑ君加那志/御肝せぢ 遣りよは/沖縄 田降り遣り 貢/又鳴響む君加那志/又聞へ按司添いや/又鳴響む按司添いや

一きこゑきみかなし/おきもせち やりよは/おきなわ たうりやり かない/又とよむきみかなし/又きこへあんしおそいや/又とよむあんしおそいや

きみがなしおもろの節[edit]

6-301(11)

一聞ゑ君加那志/せぢ 栄しよわば/せぢにす おわめ/又鳴響む君加那志/又聞ゑ按司添いや/又鳴響む按司添いや

一きこゑきみかなし/せち はやしよわは/せちにす おわめ/又とよむきみかなし/又きこへあんしおそいや/又とよむあんしおそいや

きみがなしおもろの節[edit]

6-302(12)

一聞ゑ君加那志/手持ち縄 綯へわちへ/真玉 選で 寄て来う/貫ちへ みおやせ/又鳴響む君加那志/又聞ゑ按司添いや/又鳴響む按司添いや

一きこゑきみかなし/てもちなわ ぬへわちへ/またま ゑらて よてこう/ぬちへ みおやせ/又とよむきみかなし/又きこゑあんしおそいや/又とよむあんしおそいや

きみがなしが節[edit]

6-303(13)

一聞へ君加那志/浦の数 添う世わ/世の手持ち 前に 寄せわ/又鳴響む君加那志/又聞ゑ按司添いや/又鳴響む按司添いや

一きこへきみかなし/うらのかす おそう世わ/世のてもち まへに よせわ/又とよむきみかなし/又きこゑあんしおそいや/又とよむあんしおそいや

きみがなしが節[edit]

6-304(14)

一聞ゑ君加那志/降れて 降れ栄よわ/成さい人思いに/世のせぢ みおやせ/又鳴響む君加那志/又首里杜 ちよわる/成さい人思いに/世のせぢ みおやせ/又真玉杜 ちよわる/成さい人思いに/世のせぢ みおやせ/又神座ぎやで 鳴響で/又おぼつぎやで 鳴響で/又戦せぢ 勝りよわ/又うち揚がりの 鳴響み/又踏み揚がりの 鳴響み

一きこゑきみかなし/おれて おれふさよわ/なさいきよもいに/世のせち みおやせ/又とよむきみかなし/又しよりもり ちよわる/なさいきよもいに/世のせち みおやせ/又またまもり ちよわる/なさいきよもいに/世のせち みおやせ/又かくらきやて とよて/又おほつきやて とよて/又いくさせち まさりよわ/又うちあかりの とよみ/又ふみあかりの とよみ

きみがなしが節[edit]

6-305(15)

一聞ゑ君加那志/だにす 鳴響みわれ/下司 真人/孵し遣り ちよわれ/又鳴響む君加那志/又聞ゑ按司添いや/又鳴響む按司添いや

一きこゑきみかなし/たにす とよみよわれ/けす ま人/すたしやり ちよわれ/又とよむきみかなし/又きこへあんしおそいや/又とよむあんしおそいや

きみがなしが節[edit]

6-306(16)

一聞ゑ君加那志/丈清らやは  酔やちへ/神々 歓へる 清らや/又鳴響む君加那志/又のろのろは 白腿 成り居り/又神々は 白腿 成り居り

一きこゑきみかなし/たけきよらやは ゑやちへ/かみ あまへる きよらや/又とよむきみかなし/又のろは しらもゝ なりより/又かみは しらもゝ なりより

きみがなしが節[edit]

6-307(17)

一聞ゑ君加那志/世る杜に ちよわちへ/島が老ゑるぎやめ ちよわれ/又鳴響む君加那志

一きこへきみかなし/世るもりに ちよわちへ/しまか おゑるきやめ ちよわれ/又とよむきみかなし

きみがなしが節[edit]

6-308(18)

一聞へ君加那志/君ぎや祈る杜に ちよわちへ/島が 老ゑ ちよわれ/又鳴響む君加那志

一きこへきみかなし/きみきや いのるもりに ちよわちへ/しまか おゑ ちよわれ/又とよむきみかなし

きみがなしが節[edit]

6-309(19)

一聞ゑ君加那志/おれ 見れ /想ぜ 遣り倦で/又鳴響む君加那志/又島中のあす達/又しゝめきのあす達

一きこゑきみかなし/おれ みれ/さうせ やりあくて/又とよむきみかなし/又しま中のあすた/又しゝめきのあすた

きみがなしが節[edit]

6-310(20)

一いげり君良しや/成さい人が 御せぢ/百按司 立ち合わん/又成さいぎや君良しや

一いけりきみよしや/なさいきよか おせち/ももあち たちあわん/又なさいきやきみよしや

きみがなしが節[edit]

6-311(21)

一いげり君良しや/だにす 成さい人思い/唐 宮古/京 鎌倉 適わせ/又成さいぎや君良しや/きみがなしが節

一いけりきみよしや/たにす なさいきよもい/たう みやこ/きや かまくら かなわせ/又なさいきやきみよしや

[edit]

6-312(22)

一聞ゑ君加那志/てるかはは 崇べて/按司添いす/末 勝て ちよわれ/又鳴響む君加那志/又首里杜ぐすく/降れ直ちへからわ/又真玉杜ぐすく/降れ直ちへからわ/又さしふ 五ころに/降れ直ちへからは/又さしふ七ころに/降れ直ちへからは/又十百末ぎやめむ

一きこゑきみかなし/てるかはは たかへて/あんしおそいす/すゑ まさて ちよわれ/又とよむきみかなし/又しよりもりくすく/おれなおちへからわ/又またまもりくすく/おれなおちへからは/又さしふ なゝつころに/おれなおちへからは/又ともゝすゑきやめむ

きこゑきみがなしねいしまいしが節[edit]

6-313(23)

一聞へ君加那志/島討ちせの高や/国討ちせぢ按司添い /又鳴響む君加那志/又聞ゑ吾が成さい人/又鳴響む吾が成さい人

一きこへきみかなし/しまうちせのたかや/くにうちせちあちおそい/又とよむきみかなし/又きこゑあかなさいきよ/又とよむあかなさいきよ

きこゑきみがなしねいしまいしが節[edit]

6-314(24)

一聞ゑ君加那志/たくだる 下司の/撃ち遣りさらめ/又鳴響む君加那志/たくだる 下司の

一きこゑきみかなし/たくたる けすの/うちやりさらめ/又とよむきみかなし/たくたる けすの

きこゑきみがなしねいしまいしが節[edit]

6-315(25)

一聞へ君加那志/降り欲しや ちよわちへ/又鳴響む君加那志/又聞へ按司添いや/又鳴響む按司添いや

一きこへきみかなし/おりほしや ちよわちへ/又とよむきみかなし/又きこへあんしおそいや/又とよむあんしおそいや

きこゑきみがなしみちやるまさりが節[edit]

6-316(26)

一聞へ君加那志/根石 真石の/有らぎやめ ちよわれ/又鳴響む君加那志/又聞へ按司添いや/又鳴響む按司添いや

一きこゑきみかなし/ねいし まいしの/あらきやめ ちよわれ/又とよむきみかなし/又きこへあんしおそいや/又とよむあちおそいや

きこゑきみがなしねいしまいしの節[edit]

6-317(27)

一聞へ君加那志/十百度 ちよわれ/又鳴響む君加那志/又聞ゑ按司添いや/又鳴響む按司添いや

一きこへきみかなし/ともゝと ちよわれ/又とよむきみかなし/又きこゑあんしおそいや/又とよむあちおそいや

きこゑきみがなしねいしまいしの節[edit]

6-318(28)

一聞へ君加那志/君加那志 気合わちへ/大ぐすく 降れわちへ/又鳴響む君加那志/君加那志 気合わちへ

一きこへきみかなし/きみかなし けやわちへ/大くすく おれわちへ/又とよむきみかなし/きみかなし けやわちへ

きこゑきみがなしねいしまいしの節[edit]

6-319(29)

一聞ゑ君加那志/君加那志 見ちやる 勝り/又鳴響む君加那志/又聞へ按司添いや/又鳴響む按司添いや

一きこゑきみかなし/きみかなし みちやる まさり/又とよむきみかなし/又きこへあちおそいや/又とよむあちおそいや

ねいしまいしの節[edit]

6-320(30)

一聞ゑ君加那志/添て 掛けて/凪やけれ/又鳴響む君加那志/又聞へ按司添いや/又鳴響む按司添いや

一きこゑきみかなし/おそて かけて/とゝやけれ/又とよむきみかなし/又きこゑあちおそいや/又とよむあちおそいや

きこゑきみがなしねいしまいしの節[edit]

6-321(31)

一聞ゑ君加那志/上て 見ちやる 勝り/又鳴響む君加那志/又首里杜ぐすく/又真玉杜ぐすく

一きこゑきみかなし/のほて みちやる まさり/又とよむきみかなし/又しよりもりくすく/又またまもりくすく

ねいしまいしの節[edit]

6-322(32)

一聞ゑ君加那志/十百歳す ちよわれ/又鳴響む君加那志/又聞へ按司添いや/又鳴響む按司添いや

一きこゑきみかなし/とひやくさす ちよわれ/又とよむきみかなし/又きこゑあんしおそいや/又とよむあちおそいや

大ぐすくおわる世がけにせあぢの節[edit]

6-323(33)

一聞へ君加那志/添て 揃へわちへ/御肝のせぢ し遣り 直せ/又鳴響む君加那志/又聞へ吾が成さい人/又鳴響む吾が成さい人

一きこへきみかなし/おそて そろへわちへ/おきものせち しやり なおせ/又とよむきみかなし/又きこへあかなさいきよ/又とよむあかなさいきよ

きこゑさすかさがつゞみのあぢなりがなしふうくにうちよせるが節[edit]

6-324(34)

一聞ゑ君加那志/鳴響む君加那志/此れど だにの 真てだやれ/又聞へ按司添いや/鳴響む按司添いや/又筑紫ちやら 佩きよわちへ/治金丸 差しよわちへ/又玉足駄 踏みよわちへ

一きこゑきみかなし/とよむきみかなし/これと たにの まてたやれ/又きこへあんしおそいや/とよむあちおそいや/又つくしちやら はきよわちへ/てかねまる さしよわちへ/又たまあしちや ふみよわちへ

あおりやへが節[edit]

6-325(35)

一聞ゑ君加那志/鳴響む君加那志/百島の 宝/積で みおやせ/又首里杜ぐすく/真玉杜ぐすく/又聞へ按司添いや/鳴響む按司添いや/ゑそこ数/み御船数 押し浮けて

一きこへきみかなし/とよむきみかなし/もゝしまの たから/つて みおやせ/又しよりもりくすく/またまもりくすく/又きこへあんしおそいや/とよむあちおそいや/ゑそこかす/みおうねかす おしうけて

やまぐすくげらへきよらが節[edit]

6-326(36)

一君加那志 おもろ為ば/世掛けは 成さい人が/按司 添う 島討ち/又吾が成さい人 おもろ為ば/世掛けは

一きみかなし おもろせは/世かけは なさいきよか/あち おそう しまうち/又あかなさいきよ おもろせは/世かけは

やまぐすくげらへきよらが節[edit]

6-327(37)

一君加那志/君の按司す 知りゆわめ/上下 添て/適わしよわれ/又吾が成さい人てだ/成さい人す 知りよわめ/又沖縄 夏 立てば/命神使い/又鬼ぐすく 夏 立てば/命神使い/又我が親国 夏 立てば/命神使い

一きみかなし/きみのあちす しりゆわめ/かみ下 おそて/かなわしよわれ/又あかなさいきよてた/なさいきよす しりよわめ/又よきなわ なつ たては/ゑのちかみつかい/又おにくすく なつ たては/ゑのちかみつかい/又わかおやくに なつ たては/ゑのちかみつかい

きこゑぐしかわが節[edit]

6-328(38)

一首里杜ぐすく/君加那志 手摩て/上下/押し合わちへ ちよわれ/又真玉杜ぐすく

一しよりもりくすく/きみかなし てつて/かみ下/おしやわちへ ちよわれ/又またまもりくすく

いとかずおもろの節[edit]

6-329(39)

一聞こゑ君加那志/島 添て ちよわれ/又鳴響む君加那志/又聞へ按司添いや/又鳴響む按司添いや/うちいでは大きみ御まへが節

一きこゑきみかなし/しま おそて ちよわれ/又とよむきみかなし/又きこへあんしおそいや/又とよむあちおそいや

[edit]

6-330(40)

一君加那志 夏 立てば/命神 このみしよわちへ/又我が大里 夏 立てば/又玉御柄杓/又玉御ねぶ

一きみかなし なつ たては/ゑのちかみ このみしよわちへ/又わか大さと なつ たては/又たまみしやく/又たまみねふ

くにのまてだが節[edit]

6-331(41)

一聞ゑ君加那志/又鳴響む君加那志/上下の大鳴響み/又下の世の主や/又按司の又の按司や

一きこゑきみかなし/とよむきみかなし/かみ下の 大とよみ/又下の世のぬしや/あちのまたのあちや

きこゑさすかさがきみぎやまぶりよわるたゝみが節[edit]

6-332(42)

一聞ゑ君加那志/降れて 鳴響ま/又神座の競い/撓い やちよこ/又鳴響む君加那志/降れて 鳴響ま/又おぼつの競い/撓い やちよこ /又聞ゑ鬼ぐすく/又銅添え鍔/又鳴響む鬼ぐすく/又白金玉纏や/又うち置け うち置け うち置け/又意地気や 玉纏や/又玉腰け うち置け/又すもりやは けつか

一きこゑきみかなし/おれて とよま/又かくらのけわい/しない やちよこ/又とよむきみかなし/おれて とよま/又おほつのけわい/しない やちよこ/又きこゑおにくすく/又あかかねそへつは/又とよむおにくすく/又しろかねたまきや/又うちおけ うちおけ うちうけ/又いちへきや たまきや/又たまこしけ うちうけ/又すもりやは けつか

かぐらとよでが節[edit]

6-333(43)

一聞ゑ君加那志/首里杜 降れわちへ/神々す 浦の数/祈り合ゑて 寄せれ /又鳴響む君加那志/真玉杜 降れわちへ/又いけな君 先き立て/成り人神 いぐまちへ/又てるかはす/世の結び 憑き降ろせ/又てるしのす/君が釘 差しよわれ/又首里杜親のろ/なよ笠の親のろ/又金杜の親のろ/御宣り人の親のろ/又西杜の親のろ/なよくらの親のろ/又ゑそこ 通わぎやめ/按司添いしよ/よ治りよわれ/神々す 浦の数/祈り合ゑて 寄せれ

一きこゑきみかなし/しよりもり おれわちへ/かみす うらのかす/いのりやゑて よせれ/又とよむきみかなし/またまもり おれわちへ/又いけなきみ さきたて/なりきよかみ いくまちへ/又てるかはす/世のむすひ つきおろせ/又てるしのす/きみかくき さしよわれ/又しよりもりおやのろ/なよかさのおやのろ/又かねもりのおやのろ/みせりきよのおやのろ/又にしもりのおやのろ/なよくらのおやのろ/又ゑそこ かよわきやめ/あちおそいしよ/世しりよわれ/かみす うらのかす/いのりやゑて よせれ

[edit]

6-334(44)

一聞ゑ君加那志/いけな 成り変わて/首里杜 降れわちへ/成さい人思いに/島が命 みおやせ /又鳴響む君加那志/成り人 降れ変わて/真玉杜 降れわちへ/又さしふ 五ころに/末 尋めて 降れわちへ/又むつき 五ころに/見守てす 降れたれ/又成さい人思い按司添い/およりとて 降れわちへ/吾が搔い撫で按司添い/見守てす 降れたれ/又てるかはが 御差ししゆ/此のきらに 降れわちへ

一きこゑきみかなし/いけな なりかわて/しよりもり おれわちへ/なさいきよもいに/しまかいのち みおやせ/又とよむきみかなし/なりきよ おれかわて/またまもり おれわちへ/又さしふ 五ころに/すへ とめて おれわちへ/又むつき 五ころに/みまふてす おれたれ/又なさいきよもいあちおそい/およりとて おれわちへ/又あかかいなてあちおそい/みまふてす おれたれ/又てるかはか うさししゆ/このきらに おれわちへ

やまときたらすざべが節[edit]

6-335(45)

一百度踏み揚がりや/けさよりや 勝り/百ぢやらの主てだ/成りよわちへ/又君踏み揚がりや/又首里杜ぐすく/又真玉杜ぐすく

一もゝとふみあかりや/けさよりや まさり/もゝちやらの ぬしてた/なりよわちへ/又きみのふみあかりや/又しよりもりくすく/またまもりくすく

やまたらすざべが節[edit]

6-336(46)

一百度踏み揚がりや/道 開けて/金比屋武 手摩て/又君踏み揚がりや/又聞ゑ今歸仁に/又今日の良かる日に/又今日のきやかる日に

一もゝとふみあかりや/みち あけて/かなひやふ てつて/又きみのふみあかりや/又きこゑみやきせんに/又けおの世かるひに/又けおのきやかるひに

すへのちなうるわしが節[edit]

6-337(47)

一百度踏み揚がりや/降り欲しや 為/世果報愛し御殿/又君の踏み揚がりや/又今日の良かる日に/又今日のきやかる日に

一もゝとふみあかりや/おりほしやよ し/世かほうかなしおとん/又きみのふみあかりや/又けおのゆかるひに/又けおのきゝやるひに

きみがなしが節[edit]

6-338(48)

一百度踏み揚がりや/世添う杜に/友寄せ げらへ/又君の踏み揚がりや/又首里杜ぐすく/又真玉杜ぐすく

一もゝとふみあかりや/世そうもりに/ともよせ けらへ/又きみのふみあかりや/又しよりもりくすく/又またまもりくすく

きこへあらはへが節[edit]

6-339(49)

一百度踏み揚がりや/君の踏み揚がりや/遊ぶ 清らや/又下の世の主の/思い子の君の/又我謝の浦神や/沖縄 音 取て/又島中神や/まちらす 音 取て/又こくらの神の/こくせの神の/又綾手 まめがたな/踊り手 まめがたな

一もゝとふみあかりや/きみのふみあかりや/あすふ きよらや/又しもの世のぬしの/おもいくわのきみの/又かちやのうらかみや/よきなわ ね とて/又しま中かみや/まちらす ね とて/又こくらのかみの/こくせのかみの/又あやて まめかたな/よりてまめかたな

きみがなしが節[edit]

6-340(50)

一百度踏み揚がりや/てるかはと 行き合て/世のつほに/世のつくせ みおやせ/又君の踏み揚がりや/又首里杜ぐすく/又真玉杜ぐすく

一もゝとふみあかりや/てるかはと ゆきあて/世のつほに/世のつくせ みおやせ/又きみのふみあかりや/又しよりもりくすく/又またまもりくすく

きみがなしが節[edit]

6-341(51)

一百度踏み揚がりや/ゑためとも 愛しや/又君の踏み揚がりや

一もゝとふみあかりや/ゑためとも かなしや/又きみのふみあかりや

きみがなしが節[edit]

6-342(52)

一百度踏み揚がりや/天地 よためかちへ/天 鳴らちへ/さしふ 助けわちへ/又君の踏み揚がりや/又今日の良かる日に/又今日のきやかる日に

一もゝとふみあかりや/てにち よためかちへ/あま ならちへ/さしふ たすけわちへ/又きみのふみあかりや/又けおのゆかるひに/又けおのきやかるひに

きみがなしが節[edit]

6-343(53)

一百度踏み揚がりや/降れて 遊びよわれば/迎へ誇ら/又君の踏み揚がりや/又成さの貴み人が/おわるてゝ 知らにや 

一もゝとふみあかりや/おれて あすひよわれは/むかいほこら/又きみのふみあかりや/又なさのたゝみきよか/おわるてゝ しらにや

かぐらとよでが節[edit]

6-344(54)

一聞ゑ君の頂/鳴響む君の王/御島 降れ直せ/又真物内の御家に/上がるうち揚がりや/又朝凪らは 舞合へて/夕凪らは さりよく/又さしふ 珍らがて/むつき 掻い撫でわちへ/又成さい人思い 宣立てゝ/按司添いは 祈て/又押し明け年 依り降れや/直り年 依り降れや/又大君ぎや 持ち成し/精高子が 引き成し/国の根は 撓て/御言 合わしよわちへ/又厳子 贖よわちへ/くはら 養よわちへ/御島 降れ直ちへ

一きこゑきみのつんし/とよむきみのわう/みしま おれなおせ/又まもんうちのみうちに/あかるうちあかりや/又あさとらは まやへて/ようとらは さりよく/又さしふ めつらかて/むつき かいなてわちへ/又なさいきよもい のたてゝ/あちおそいは いのて/又おしあけとし よりおれや/なおりとし よりおれや/又大きみきや もちなし/せたかこか ひきなし/くにのねは しなて/おこと あわしよわちへ/又いつこ あかなよわちへ/くはら やしなよわちへ/みしま おれなおちへ