おもろさうし/第十四

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おもろさうし  (1623) 
第十四
いろのゑさおもろ御さうし 天啓三年癸亥三月七日

いろのゑさおもろ御さうし 第十四

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14-982(1)

一謝名思ひや/誰が 生ちやる子が/此が 清らさ/此が 見欲しや 有居るな/又百ぢやらの/あぐで居ちやる庫裡口/謝名思いしゆ 開けたれ/又謝名思いが/謝名上原 上て/蹴上げたる露は/露からど 香しや 有る

一ちやなもひや/たか なちやるくわか/こか きよらさ/こか みほしや あよるな/又もゝちやらの/あくておちやるこちやくち/ちやなもいしゆ あけたれ/又ちやなもいか/ちやなうへはる のほて/けやけたるつよは/つよからと かはしや ある

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14-983(2)

一玻名城按司付きの大親/又花城ちやら付きの大親/又一人子の/やぐさ子は 生ちへ置ちゑ/又外辺りに/内辺りに あへる/又初幹が/したしらひよは 選で/又たち選びに/筋選びに 選で/又二十読は/三十読は 為ちへおちへ/又玻名城/いちや川に 降れて/又綛 延ゑちへ/布 延ゑちへ 降れて/又思ひがけず/首里赤頭部 行き合て/又真人達も/此が 見欲しや 有り居れ/又掟達も/此が 清らさ 有居れ

一はなくすくあんしつきの大や/又花城ちやら付きの大や/又ひとりくわの/やくさくわは なちへおちゑ/又ほかあたりに/うちあたりに あへる/又はつかりやか/したしらひよは ゑらて/又たちゑらひに/すちゑらひに ゑらて/又はたよみやは/みしよよみやは しちへおちへ/又はなくすく/いちやかわに おれて/又かせ はゑちへ/ぬの はゑちへ おれて/又おもひかけす/しよりあくかへ いきやて/又ま人たも/こか みほしや ありよれ/又おきてたも/こか きよらさ あよれ

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14-984(3)

一兼城大地人/思ひにせ加那志/又兼城しらへ人/又大地人が わくさ/又しらへ人が わくさ/又九年母 取て 佩きよわちへ/又愛し 取て 佩きよわちへ

一かなくすく大ちきよ/おもひにせかなし/又かなくすくしらへきよ/又大ちきよか わくさ/又しらへきよか わくさ/又くねふ とて はきよわちへ/又かなし とて はきよわちへ

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14-985(4)

一勝連に おわる/きみし下垂りやよ/よへの下垂りや 寄せれ/又肝高に おわる

一かつれんに おわる/きみししたたりやよ/よへのしたたりや よせれ/又きむたかに おわる

おとまこが節[edit]

14-986(5)

一知花 おわる/目眉清ら按司の/又知花 おわる/歯口清ら按司の/又御鉢巻/手強く巻き しよわちへ/又白掛け御衣/重べ御衣 しよわちへ/又十重きゝ帯/又廻し 引き締めて/又大刀よ/掛け差し しよわちへ/又腰刀よ/厳さ差し しよわちへ/又ひぎや皮さば/うちおけくみ しよわちへ/又馬曵きの/御駄曵きの小太郎/又真白馬に/金鞍 掛けて/又前鞍に/てだの形 描ちへ/又後鞍に/月の形 描ちへ

一ちはな おわる/めまよきよらあんしの/又ちはな おわる/はくききよらあんしの/又みはちまき/てちよくまき しよわちへ/又しらかけみしよ/かさへみしよ しよわちへ/又といきゝおひ/まやし ひきしめて/又大かたなよ/かけさし しよわちへ/又こしかたなよ/いかささし しよわちへ/又ひきやかわさは/うちおけくみ しよわちへ/又うまひきの/みちやひきのこたら/又ましらはに/こかねくら かけて/又まへくらに/てたのかた ゑかちへ/又しるいくらに/月のかた ゑかちへ

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14-987(6)

一恩納やちきまよ/安富祖やちきまよ/おもひはの 肝痛さ/又阿和の親の娘/肝痛親の娘/又山 籠まて 三月/嶽 籠まて 三月/又がぢやも せゝられて/糠子 せゝら〔れ〕て

一おんなやちきまよ/あふそやちきまよ/おもひはの きもちやさ/又あわのおやのもすめ/きもちやおやのもすめ/又やま こまて みつき/たけ こまて みつき/又かちやも せゝられて/ぬかこ せゝら〔れ〕て

うおさけが節[edit]

14-988(7)

一あさてや 平良の祭/はふとりか 見せらば/見ちへ おわれ/又三日は さにきやの拝め/大和の子等に 見せたな やたる

一あさてや たいらのまつり/はふとりか みせらは/みちへ おわれ/又みかいは さにきやのおかめ/やまとのこらに みせたな やたる

同節[edit]

14-989(8)

一西嶽の 桜が 咲く様に/君し 撓て なよら/又東嶽に 群咲き遣り 咲く様に/君 撓て なよら/又嶽加那志 綾日傘 差しよわちへ/又杜加那志 車傘 差しよわちへ

一にしたけの さくらか さくやに/きみし しなて なよら/又ひかたけに むらさきやり さくやに/きみ しなて なよら/又たけかなし あやへかさ さしよわちへ/又もりかなし くるまかさ さしよわちへ

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14-990(9)

一請の鳥の 謡い/又離れ鳥の 謡い

一うけのとりの うたい/又はなれとりの うたい

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14-991(10)

一東方の真下に/桑木下 吹く鳥/吾が思ひが/声 鳴り出ぢゑて/聞け 肝人/肝人す 聞ゝ取れ/又てだが穴の真下に

一あかるいのましたに/くわけもと ふくとり/あかおもひか/こゑ なりいちゑて/きけ きも人/きも人す きゝとれ/又てたかあなのましたに

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14-992(11)

一乙樽い 肝からど/精付く按司添いぎや/御み声の 聞やに/又宜寿次 居てやちよも/遠さ 居てやちよも

一おとたるい きもからと/しひつくあんしおそいきや/おみこゑの きこやに/又きすゝ おてやちよも/とうさ おてやちよも

うさけが節[edit]

14-993(12)

一いけなのよゝ清らゑけり/愛しやのゑけり/又いけなの丈清らゑけり/又ゑけりぎや 首里親国 おわとき/又ゑけりぎや 按司親国 おわとき/又ゑけりぎや 先おらに ならに/又ゑけりが 御鳥に ならに

一いけなのよゝきよらゑけり/かなしやのゑけり/又いけなのたけきよらゑけり/又ゑけりきや しよりおや国 おわとき/又ゑけりきや あんしおやこに おわとき/又ゑけりきや さけおらに ならに/又ゑけりか おとりに ならに

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14 -994(13)

一島尻九年母/親国九年母/うらこやはひ/又おれづもが 立てば/若夏が 立てば/うらこやはひ

一しましりくねふ/おや国くねふ/うらこやはひ/又おれつもか たては/わかなつか たては/うらこやはひ

かつれんのまみなこが節[edit]

14-995(14)

一米須世の主の/摩文仁殿 通い/心切らしや/拝で 輝居らに/又今日は 若殿内/明日は 米須かちへ

一くめす世のぬしの/まふにとの かよい/うらきらしや/おかて かかおらに/又けよは わかとのうち/あちやは こめすかちへ

くめすよの主の節[edit]

14-996(15)

一勝連まみにやこは やでおちへ/又中百名こみなこは やでおちへ/又昼なれば 肝 通い 通て/又夜なれば 夢 通い 通て/又西道の 謝名道る 行きやしゆ/又東道の 屋宜道る 行きやしよ/又東道い 屋宜の思いぎや 待ち居り/又西道や 謝名思いぎや 待ち居り/又いぢや 屋慶名中道ぢよ 行きやしよ

一かつれんまみにやこは やておちへ/又中ひやくなこみなこは やておちへ/又ひるなれは きも かよい かよて/又よるなれは いめ かよい かよて/又にしみちの ちやなみちる いきやしゆ/又ひかみちの やきみちる いきやしよ/又ひか道い やきのおもいきや まちより/又にし道や ちやなおもいきや まちより/又いちや やけな中道ちよ いきやしよ

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14-997(16)

一吾が思ひぎや/あぐでおちやる/名護の浦/唯一人 遣たもの/おもいはの 肝痛さ/又吾が思ひぎや/住まておちやる/喜瀬の浦

一あかおもひきや/あくておちやる/なこのうら/たゝひとり やたもの/おもいはの きもちやさ/又あかおもひきや/すまておちやる/きせのうら

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14-998(17)

一おとまこい あか〔ま〕こい おかるな/又おが屋辺より おわよりな/ゑけり按司/又といし 出ぢへれ あしやげ 出ぢ へれ/おなり按司/又何だにが 言ぎや おわにぎや/ゑけり按司/又世言 為に 世想ぜ 為に/おなり按司/又世言 あは 世想ぜ まは/ゑけり按司/又島 ゑれい 国 ゑれい/おなり按司/又島も まは 国も まは/ゑけり按司/又海幸 ゑれ 陸幸 ゑれ/おなり按司/又海幸 まは 陸幸 まは/ゑけり按司/又玉 ゑれい つしや ゑれ/おなり按司/又撓わにな やびきやにな/ゑけり按司

一おとまこい あか〔ま〕こい おかるな/又おかやへより おわよりな/ゑけりあんし/又といし いちへれ あしやけ いち へれ/おなりあち/又のおたにか いきや おわにきや/ゑけりあんし/又世こと せに 世さうせ せに/おなりあんし/又世こと まは 世さうせ まは/ゑけりあんし/又しま ゑれい 国 ゑれい/おなりあんし/又しまも まは くにも まは/ゑけりあんし/又うみちへ ゑれ おかちへ ゑれ/おなりあんし/又うみちへ まは おかちへ まは/ゑけりあんし/又たま ゑれい つしや ゑれ/おなりあんし/又しなわにな やひきやにな/ゑけりあんし

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14-999(18)

一さてし川/上り雨 降らん/露の ゑけりぎや/御袖端 濡らちゑ/又さてし川/下りくれ 降らん/露の

一さてしかわ/のほりあめ ふらん/つよの ゑけりきや/みそてはな ぬらちゑ/又さてしかわ/くたりくれ ふらん/つよの

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14-1000(19)

一糸木名ののろの/童 ちやれ 持たちへ/ちやらが嶺 上て/神ぎや船 見れば/ゑけり やうらぎやことゝ/あんす 痛け思い/又卯月 雪降りに/二十読が袖花/御顔 引き立てゝ/神ぎや船 見れば

一いときなののろの/わらへ ちやれ もたちへ/ちやらかみね のほて/かみきやふね みれは/ゑけり やうらきやことゝ/あんす いちやけおもい/又うつき よきふりに/はたよみやかそて花/みきやう ひきたてゝ/かみきやふね みれは

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14-1001(20)

一越来杜ぐすく/越来綾庭に/成さい人/世 揃いわちへ/又東方杜ぐすく/揚がろ綾庭に/成さい人

一こゑくもりくすく/こいくあやみやに/なさいきよ/世 そろいわちへ/又あかるいもりくすく/あかろあやみやに/なさいきよ

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14-1002(21)

一越来世の主の/古謝降り頂に/六股は げらへて/上下の 見物する 御倉/又揚がる世の主の

一こゑく世のぬしの/こちやおりつちに/むつまたは けらへて/かみしもの みもんする 御くら/又あかる世のぬしの

おらおそへ節[edit]

14-1003(22)

一越来杜親のろ/親のろは 持ち成ちへ/今からど/御酒や 勝る/又揚がる杜親のろ

一こゑくもりおやのろ/おやのろは もちなちへ/いみやからと/御さけや まさる/又あかるもりおやのろ

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14-1004(23)

一知花後嶽に/洗へか 洗へ/又今日の良かる日に/又今日のきやる日に/又珈玻㼈 濯ぎ出ぢゑて/又手持ち 濯ぎ出ぢゑて

一ちはなこしたけに/あらへか あらへ/又けよのよかるひに/又けよのきやるひに/又かわら よせきいちゑて/又てもち よせきいちゑて

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14-1005(24)

一金ぐすく大ころ/大こるが 使いしよ/此の大島 降れたれ/で 吾 遊ば 神々/又金城撫でころ/撫でころが 使いしよ

一かねくすく大ころ/大こるか つかいしよ/このたしま おれたれ/て わん あすは かみ/又かね城なてころ/なてころか つかいしよ

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14-1006(25)

一聞ゑ中城/前 見れば 港/此れど あまみ金ぐすく/又鳴響む中城/後 見れば たきやの海/此れど 聞ゑ中城

一きこゑ中くすく/まへ みれは みなと/これと あまみかねくすく/又とよむなかくすく/こいし みれは たきやのうみ/これと きこゑ中くすく

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14-1007(26)

一聞ゑ上里に/降れ欲しやの杜に/げらへあ(ま)く思い/おぼつ 淀しよわちへ/又鳴響む上里に/降れ欲しやの杜に

一きこゑおへさとに/おれほしやのもりに/けらへあ(ま)くもい/おほつ よとしよわちへ/又とよむうへさとに/おれほしやのもりに

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14-1008(27)

一小照る曲の親のろ/あまみやのろやれば/世添うせぢ/せぢ 勝て 遊ば/又なりしのゝ親掟/しねりやのろやれば/世添うせぢ/せぢ 勝て 遊ば

一こてるわのおやのろ/あまみやのろやれは/世そうせち/せち まさて あすは/又なりしのゝおやおきて/しねりやのろやれは/世そうせち/せち まさて あすは

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14-1009(28)

一かいふたの親のろ/東方に 通て/今からど/いみ気や 勝る/又金杜の親掟/てだが穴に 通て

一かいふたのおやのろ/あかるいに かよて/いみやからと/いみきや まさる/又かなもりのおやおきて/てたかあなに かよて

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14-1010(29)

一津堅伊波ぐすく/津堅せやぐすく/あたらのいとおうの鎧/又離れ伊波ぐすく/離れせやぐすく

一つけんゑはくすく/つけんせやくすく/あたらのいとおうのよろい/又はなれゑ〔は〕くすく/はなれせやくすく

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14-1011(30)

一げらゑ鈴鳴りぎや/やゝの清ら し居れども/吾が成さと/御声 合わさたな/又見物鈴鳴りぎや/見物清ら し居れども/吾が成さと/ゑりちよ 合わさだな

一けらゑすつなりきや/やゝのき(よ)ら しよれとも/あかなさと/みこゑ あわさたな/又み物すつなりきや/み物きよら し居れとも/あかなさと/ゑりちよ あわさたな

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14-1012(31)

一佐敷親樋川/堰 積みよわちへからは/今からど/御肝せぢ 勝る/又根国親樋川

一さしきおやひかわ/せ つみよわちへからは/いみやからと/おきもせち まさる/又ね国おやひかわ

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14-1013(32)

一佐敷意地気按司の/あはれ真男/百島 討ちちへ/掛けて 栄よわれ/又佐敷大国按司の

一さしきいちゑきあちの/あはれまへゑくか/もゝしま うちちへ/かけて ふさよわれ/又さしきちやくにあちの

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14-1014(33)

一佐敷金杜や/按司の孵で親国/佐敷よ/踏み揚がて ちよわれ/又西の金杜や

一さしきかなもりや/あんしのすておやくに/さしきよ/ふみあかて ちよわれ/又にしのかなもりや

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14-1015(34)

一佐敷 おわる 思ひ子/真人 選で 寄せて/神座のくひよもい 佩けわちへ/又根国 おわる 思ひ子

一さしき おわる おもひくわ/ま人 ゑらて よせて/かくらのくひよもい はけわちへ/又ねくに おわる おもひくわ

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14-1016(35)

一苗代の門に/いきせりしよ 待ちよわれ/金ちや猪口/据ゑ並めて お待ち/又根国苗代に

一なわしるのちやうに/いきせりしよ まちよわれ/こかねちやちよく/せゑなめて おまち/又ねくになわしるに

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14-1017(36)

一佐敷金杜に/おわもりは 遊ばちへ/金の もちろきよる/清らや/又根国金杜に

一さしきかなもりに/おわもりは あすはちへ/こかねの もちろきよる/きよらや/又ねくにかなもりに

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14-1018(37)

一手登根の大屋子/唐の道 開けわちへ/手登根す/日本内に 鳴響め/又手登根の里主

一てとこんの大やこ/たうのみち あけわちへ/てとこんす/にほんうちに とよめ/又てとこんのさとぬし

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14-1019(38)

一平田御宣り人が/事直し 降れわちへ/斎場の澄む清水 げらへて/又平田御宣り人が/事直し 降れわちへ/斎場の梯梧並 げらへて

一ひらたみちゑりきよか/ことなおし おれわちへ/さやはのすむさうす けらへて/又ひらたみちゑりきよか/ことなおし おれわちへ/さやはのてたなみ けらへて

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14-1020(39)

一知念杜ぐすく/東方のぐすく/按司添いぎや/思ひ揚げの城/又大国杜ぐすく/てだが穴ぐすく

一ちへねんもりくすく/あかるいのくすく/あんしおそいきや/おもひあけの城/又ちやくにもりくすく/てたかあなのくすく

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14-1021(40)

一久手堅のまちやり人/赤つ鉄 げらへて/按司添いぎや/差しなしの御腰/又揚がる島の大屋子/赤つ鉄 げらへて

一くてけんのまちやりきよ/あかつかね けらへて/あんしおそいきや/さしなしのみこし/又あかるまの大やこ/あかつかね けらへて

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14-1022(41)

一あまみやから 鳴響み居る/知念杜城/按司添いぎや/思ひ揚げのぐすく/又しねりやから 鳴響み居る/大国杜城/按司添いぎや/思ひ揚げの城

一あまみやから とよみよる/ちへねんもり城/あんしおそいきや/おもひあけのくすく/又しねりやから とよみよる/ちやくにもり城/あんしおそいきや/おもひあけの城

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14-1023(42)

一あまみやから 真細工/知念杜城/げらへて げらへ遣り/按司添い みおやせ/又しねりやから 真細工/大国杜 げらへて

一あまみやから まさゑく/ちへねんもり城/けらへて けらへやり/あんしおそい みおやせ/又しねりやから まさゑく/ちやくにもり けらへて

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14-1024(43)

一屋嘉の大浜に/屋嘉の長浜に/天降ら年 天降ら/又屋嘉の老い人/屋嘉の本人/天降ら年 天降ら

一やかの大はまに/やかのなかはまに/ておらとし ておら/又やかのおい人/やかのもと人/ておらとし ておら

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14-1025(44)

一阿嘉犬お祝付きや/饒波のお祝付きや/国な頂 見ちへ 羨め/又今帰仁 上て/鳴響み国 上て/又しけち 出ぢやせ 持て行きや/御酒 出ぢやせ 持て行きや

一あかいんおゑつきや/ねはのおゑつきや/くになつち みちへ うらやめ/又みやきせん のほて/とよみ国 のほて/又しけち いちやせ もていきや/御さけ いちやせ もていきや

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14-1026(45)

一聞ゑ金丸が/思ひ子の君の/遊べば 見欲しやしよわちへ/又鳴響む金丸が/おなり神の 遊べば

一きこゑかねまるか/おもひくわのきみの/あすへは みほしやしよわちへ/又とよむかねまるか/おなりかみの あすへは

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14-1027(46)

一勢理客ののろの/あけしののろの/雨くれ 降ろちへ/鎧 濡らちへ/又運天 着けて/小港 着けて/又嘉津宇嶽 下がる/雨くれ 降ろちへ/鎧 濡らちへ/又大和の軍/山城の軍

一せりかくののろの/あけしののろの/あまくれ おろちへ/よるい ぬらちへ/又うむてん つけて/こみなと つけて/又かつおうたけ さかる/あまくれ おろちへ/よろい ぬらちへ/又やまとのいくさ/やしろのいくさ

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14-1028(47)

一内間沖縄 (ち)よわちへ/神々 使い/又名高沖縄

一うちまよきなわ (ち)よわちへ/かみ つかい/又なたかよきなわ

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14-1029(48)

一聞ゑ大のろ子/鳴響む大のろ子/あまみきよが/初めど もちよる/又むくきたい 取らん/大島たい 取らん/又厳し子いちゑ 知らん/くはらいちゑ 知らん/又のろやちよも やぐめさ/又主やちよむ やぐめさ

一きこゑ大のろこ/とよむ大のろこ/あまみきよか/はちめと もちよる/又むくきたい とらん/たしまたい とらん/又いつしこいちゑ しらん/くはらいちゑ しらん/又のろやちよも やくめさ/又ぬしやちよむ やくめさ

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14-1030(49)

一東方の大主/精勝り げらへて/げらへわちへ/十百末 ちよわれ/又聞ゑ国治り人/精勝て げらへて/又てだが穴の大主/精勝り げらへて/又てだが穴の大主/世添うせぢ

一あかるいの大ぬし/すゑまさり けらへて/けらへわちへ/ともゝすへ ちよわれ/又きこゑくにせりきよ/せへまさて けらへて/又てたかあなの大ぬし/すへまさり けらへて/又てたかあなの大ぬし/よそうせち

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14-1031(50)

一桑江に 居てやちよも/押し上げ 居てやちよも/安谷屋の綾踊り/奇せ踊り 見らな/又横嶽の 実にす/前嶽の 実にす

一くわいに おてやちよも/おしあけ おてやちよも/あたにやのあやより/くせより みらな/又よこたけの けにす/まゑたけのけにす

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14-1032(51)

一具志川に おわる/天徳ちやらのおせや/ちやら頂/又親国 おわる/又月 四日 立てば/踊り遊び 習て

一くしかわに おわる/あまとくちやらのおせや/ちやらつゝ/又おやくに おわる/又月 よか たては/よりあそひ ならて

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14-1033(52)

一平良勝り人が/あかはんた おわちへ

一たいらまさりきよか/あかはんた おわちへ

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14-1034(53)

一喜屋武杜大ころ/大ころが げらへたる真庭に/遊べ やちよく/又喜屋武杜の中杜/げらへたる真庭に

一きやむもり大ころ/大ころか けらへたるまみやに/あすへ やちよく/又きやむもりの中もり/けらへたるまみやに

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14-1035(54)

一上江洲鳴響み国/真神酒や 泉ど し居る/又上江洲大川や 御酒は

一おゑすとよみくに/まみきや いちゑみと しよる/又おゑす大かわや 御さけは

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14-1036(55)

一宇堅しら殿の娘/ゑけ はひよう こはひ/又同じく かまら玉 おうはめ/ゑけ はひよう こはひ

一おきんしらとんのむすめ/ゑけ はひよう こはひ/又おなしく かまらたむ おうはめ/ゑけ はひよう こはひ

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14-1037(56)

一与那原掟/しろこ鳴響た主/拝ちやる 勝り/見たれば 愛しや/又島中掟/みれつな掟/又稲国に 使い/稲嶺 使い

一よなはるおきて/しろことよたしゆ/おかちやる まさり/みたれは かなしや/又しま中おきて/みれつなおきて/又いなくにに つかい/いなみね つかい

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14-1038(57)

一聞ゑ読谷山/按司 選です/待ち居たれ/思ひ子す/掛けて 栄よわれ/又鳴響む読谷山

一きこゑよんたもさ/あち ゑらてす/まちよたれ/おもひくわす/かけて ふさよわれ/又とよむよんたむさ

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14-1039(58)

一聞ゑ読谷山/銅の世直し/中 盛らちへ/按司添いに みおやせ/又鳴響む読谷山/銅の世直し

一きこゑよんたむさ/あかかねのよなおし/中 もらちへ/あんしおそいに みおやせ/又とよむよんたむさ/あかかねのよなおし

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14-1040(59)

一辺留のやしの子/命ふつくるに/照る真物 照り居ら/又喜納大庭に/喜納門口に

一ひるのやしのし/ゑのちふつくるに/てるまもん てりよら/又きなわ大みやに/きなわちやうくちに

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14-1041(60)

一照るしなの真庭に/君げらへ 手摩て/世のつほに/おぎやか思いに みおやせ/又尊敦真庭に/主げらへ 手摩て

一てるしなのまみやに/きみけらへ てつて/世のつほに/おきやかもいに みおやせ/又そんとのまみやに/ぬしけらへ てつて

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14-1042(61)

一与那城大屋子/浦添やの 鳴響み/後勝り按司に 思われゝ/又嶽側の大屋子

一よなくすく大やこ/うらおしやの とよみ/のちまさりあんしに おもわれゝ/又さけきやかの大やこ

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14-1043(62)

一聞ゑ国直り/入りて 水 乞ゑば/水 無きやん/真神酒 出ぢやす 真国/又鳴響む国直り

一きこゑくになおり/いりて みつ こゑは/みつ なきやん/まみき いちやす まくに/又とよむくになおり

あくれなのとりの節[edit]

14-1044(63)

一御嶽 みやてらに/誰が 弦 鳴らす/命鬼の殿 八千代/又東の小坂に/又せぢの田原 舞う鳥/廻さたな 射り落ちへ/命鬼の殿 八千代

一おたけ みやてらに/たるか つる ならす/ゑのちおにのとの やちよ/又ひかのこひらに/又せちのたはる まうとり/まわさたな いりおとちへ/ゑのちおにのとの やちよ

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14-1045(64)

一聞ゑ中城/真物広庭に/珍らしや去らんてだ/又鳴響む中城

一きこゑ中くすく/まもんひろみやに/めつらしやさらんてた/又とよむ中くすく

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14-1046(65)

一安谷屋の杜に/鬼の君 押し出で/世掛け鷲/捕りよわちやる 勝り/又肝あぐみの杜に/又東の浦の/御愛しのてだの/又高清水/さはのはな あいはる

一あたにやのもりに/おにのきみ おしいて/世かけわし/とりよわちやる まさり/又きもあくみのもりに/又ひかのうらの/みかなしのてたの/又たかさうす/さはのはな あいはる

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14-1047(66)

一久場の子ぎや おもろ/十日では 遠さ/三日 挟め/世掛け拍子 みおやせ/又久場の子が 宣るむ

一くはのしきや おもろ/とかては とうさ/みきや はさめ/世かけひやし みおやせ/又くはのしか せるむ

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14-1048(67)

一聞ゑ具志頭や/寄り立ちぢよ 国の根/神酒 香し 親国/又鳴響む具志頭や

一きこゑくしかみや/よりたちちよ くにのね/みき かはし おや国/又とよむくしかみや

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14-1049(68)

一聞ゑ寄り立ちや/三日では 遠さ/今日も 明日む/御捧げど 走り居る/又鳴響む寄り立ちや

一きこゑよりたちや/みきやては とうさ/けよも あちやむ/みさゝけと はりよる/又とよむよりたちや

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14-1050(69)

一聞ゑ玻名城/鳴響む玻名城/君ぎや金物のぐすく/又島寄せが門口/せぢ勝りが門口/又神酒寄せが門口/酒寄せが門口/又島寄せる庭に/世勝りが庭に/又煽り数 立てゝ/君数は 手摩て

一きこゑはなくすく/とよむはなくすく/きみきや金物のくすく/又しまよせかちやうくち/せちまさりかちやうくち/又みきよせかちやうくち/さけよせかちやうくち/又しまよせるみやに/世まさりかみやに/又あおりかす たてゝ/きみかすは てつて

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14-1051(70)

一君良し 君良し君の/げらへよる 清ら家/又君添い 君添い君の/又家庫裡 やや庫裡や/又真北風 吹き居らば/又前坊主の厳子の/又算知らん厳子の/又こなげなげな 寄て 来居り/又ぬきなげな 寄て 来居り/又君良しぎや真鷲す/又神にしやが真鷲す/世玉 心 寄せ 貫きよわれ

一きみよし きみよしきみの/けらへよる きよらや/又きみおそい きみおそいきみの/又やくちや ややくちやや/又よにいし ふきよらは/又まへふしのいつこの/又さにしらんいつこの/又こなけなけな よて きより/又ぬきなけな よて きより/又きみよしきやまわしす/又かみにしやかまわしす/よたま こゝろ よせ ぬきよわれ