おもろさうし/第七

From Wikisource
Jump to navigation Jump to search
おもろさうし  (1623) 
第七
首里天きやすへあんじおそいがなし はひのおもろ御さうし 天啓三年癸亥三月七日

首里天ぎやすへあんじおそいがなし はひのおもろ御さうし 天啓三年癸亥三月七日 巻七

むかしはぢめからの節[edit]

7-345(1)

一聞得大君ぎや/首里杜 初めに/てだが御差し 按司添い/てるかはと 相手為て ちよわれ/又鳴響む精高子が/真玉杜 初めに/一郎御差し 貴み人/又国直す按司添い/寄り満ちへは げらへて/君々は 手摩て/又島直す按司添い/せぢ寄せは げらへて/主々は 手摩て/又てるかはが 国鳴響む/せぢ新み御内 世添へて/肝 栄へて 降れわちへ/又てるしのが 国鳴響む/京の御内 世添へて/肝 栄へて 降りわちへ/又厳子 祈られて/君に 守られて/世の想ぜ 勝て/〔又〕御島 拝まれて/主に 守られて/御肝せぢ 勝れ/又てるかはが 照り居る下/肝 一つ 揃いて/掛け添たる 清らさ

一きこゑおおきみきや/しよりもり はちめに/てたかおさし あちおそい/てるかはと あいちへなて ちよわれ/又とよむせたかこか/またまもり はちめに/いちろおさし たたみきよ/又くになおすあとおそい/よりみちへは けらへて/きみは てづて/又しまなおすあんしおそい/せちよせは けらへて/ぬしは てつて/又てるかはか くにとよむ/せちあらみおうち よそへて/きも はへて おれわちへ/又てるしのか くにとよむ/けよのみうち よそへて/あよ はへて おれわちへ/又いつこ 祈られて/きみに まふられて/よのさうせ まされ/〔又〕みしま おかまれて/ぬしに まふられて/おきもせち まされ/又てるかはか てりよるした/あよ ふてつ そろいて/かけおそたる きよらさ

やゝのきくたけが節[edit]

7-346(2)

一聞得大君ぎや/知念杜ぐすく/掛けて 栄よわちへ/神座 在つる/雲子石 手摩て/おぎやか思いに みおやせ/又鳴響む精高子が/又聞ゑ按司添いぎや/知念杜 清らや/杜ぐすく 添い頂に ちよわちへ/又鳴響む按司添いぎや/大国杜 清らや/杜ぐすく精頂に ちよわちへ/又聞得大君ぎや/あさ川に ちよわちへ/孵で水は 召しよわちへ/京の内に 在つる/百口の手持ちへ/又聞へ按司添いぎや/あさ川に ちよわちへ/孵で水は 召しよわちへ/又奇せ清らの大のろ/もちろ内の もちよろ

一きこゑおおきみきや/ちゑねんもりくすく/かけて ふさよわちへ/かくら あつる/くもこいし てつて/おきやかもいに みおやせ/又とよむせたかこか/又きこゑあんしおそいきや/ちへねんもり きよらや/もりくすく そいつきに ちよわちへ/又とよむあんしおそいきや/ちやくにもり きよらや/もりくすく すへつきに ちよわちへ/又きこゑおおきみきや/あさかわに ちよわちへ/すてみつは めしよわちへ/けおのうちに あつる/もゝくちのてもちへ/又きこへあんしおそいきや/あさかわに ちよわちへ/すてみつは めしよわちへ/又くせきよらのおおのろ/もちろうちの もちよろ

きみしあんじおそいがちやうはち花の節[edit]

7-347(3)

一聞得大君ぎや/やゝのきく嶽に/上て おわちへ さりよく/てだ てるかはと/十声 遣り交わちへ/首里杜 ちよわる/吾が貴み加那志/守て 守りよわれ/又鳴響む精高子が

一きこゑおおきみきや/やゝのきくたけに/のほて おわちへ さりよく/てた てるかはと/とこへ やりかわちへ/しよりもり ちよわる/あかたゝみかなし/まふて まふりよわれ/又とよむせたかこか

やゝのきくたけが節[edit]

7-348(4)

一聞得大君ぎや/おぼつ嶽 在つる/孵でる上水よ/袖ぎや肝やてや/厳子島 降ろちへ/掻い撫で水 しめまし/又鳴響む精高子が

一きこゑおおきみきや/おほつたけ あつる/すてるてうみつよ/かみきやきもやてや/いつこしま おろちへ/かいなでみつ しめまし/又とよむせたかこか

ひやくなうらしろが節[edit]

7-349(5)

一聞得大君ぎや/おれづむが 立てば/斎場下走り/押し開けれよ 門の主/玉簾/巻き上げれよ 孵で者/又鳴響む精高子が/若夏が 立てば/又聞得大君ぎや/初北風が 押し出ぢへば/斎場下走り/押し満ちへれ 門の主/又鳴響む精高子が/しら北風が 押し出ぢへば/又聞得大君ぎや/おれづむが 立てば/白衣御衣 みおやせれ/又鳴響む精高子が/初北風ぎや立てば

一きこゑおおきみきや/おれつむか たては/さやはしもはしり/おしあけれよ ちやうのしゆ/たますたり/まきあけれよ すてもの/又とよむせたかこか/わかなつか たては/又きこゑおおきみきや/はつにしか おしいちへは/さやはしもはしり/おしみちへれ ちやうのしゆ/又とよむせたかこか/しらにしやか おしいちへは/又きこゑおおきみきや/おれつむが たては/しらしよみしゆ みおやせれ/又とよむせたかこか/はつにしきやたては

やゝのきくたけが節[edit]

7-350(6)

一聞ゑせぢ新君/東方に 鳴響む/きくやなき嶽から/上がて おわる 月しゆ/首里杜 ちよわる/吾が貴み加那志しゆ/真だに やびきよわちへ/又鳴響むせぢ新君

一きこゑせちあらきみ/あかるいに とよむ/きくやなきたけから/あかて おわる つきしゆ/しよりもり ちよわる/あかたゝみかなしゆ/またに やひきよわちへ/又とよむせちあらきみ

いべのいのりの節[edit]

7-351(7)

一大君は 崇べて/世誇りは げらへて/天が下 縄 掛けて ちよわれ/又国守りは 崇べて

一おおきみは たかへて/よほこりは けらへて/天かした なわ かけて ちよわれ/又くにもりは たかへて

きみのつんじの節[edit]

7-352(8)

一聞得大君ぎや/みちへづから 祈て/国守り 誇て/国 勝て ちよわれ/又鳴響む精高子が

一きこゑおおきみきや/みちへつから いのて/くにもり ほこて/くに まさて ちよわれ/又とよむせたかこか

きこゑきみのつんじの節[edit]

7-353(9)

一聞ゑおわかさが/成さい人思い/此れど だにの/京の内の/金花に 譬わる/又鳴響むおわかさが

一きこゑおわかさか/なさいきよもい/これと たにの/けおのうちの/こかねはなに たとわる/又とよむおわかさか

きこへおわかさが節[edit]

7-354(10)

一聞ゑ君の頂/京の内庭/手持ち金 孵ちへ/此れど だにの/首里親国/又鳴響む君の頂

一きこゑきみのつんし/きやのうちみや/てもちかね すたちへ/これと たにの/しよりおやくに/又とよむきみのつんし

くろさよこたりが節[edit]

7-355(11)

一首里杜ぐすく/歓へ群れ舞へば/百浦 寄て来う/果報寄せぐすく/又真玉杜ぐすく/又揚がる望月や/又君の望月や

一しよりもりくすく/あまへふれまへは/もゝうら よてこう/かほうよせくすく/又またまもりくすく/又あかるもちつきや/又きみのもちつきや

うちいではかなふくのもりの節[edit]

7-356(12)

一聞ゑおわもりや/京 鎌倉/交刺巴 南蛮ぎやめ/唐 宮古 揃えて/適わしよわれ 又鳴響むおわもりや

一きこゑおわもりや/きや かまくら/かわら なはんきやめ/たう みやこ そろへて/かなわしよわれ/又とよむおわもりや

やゝのきくたけが節[edit]

7-357(13)

一聞ゑ押笠が/みてづから 祈て/てだが御差し 誇て/按司添いしゆ/掛けて 栄よわれ/又鳴響む君の按司や/又首里杜ちよわる/世の主の按司添い/又真玉杜ちよわる/又見物金比屋武に/手摩て 降ろす 君や/てだが御差し 誇て/又てだが御差しやれば/もちよろ 愛しけや/てだが御差し 誇て/又島直し 降れわちへ/ころよ 見守て/てだが御差し 誇て

一きこゑおしかさか/みてつから いのて/てたかおさし ほこて/あんしおそいしゆ/かけて ふさよわれ/又とよむきみのあんしや/又しよりもりちよわる/よのぬしのあんしおそい/又またまもりちよわる/又みもんかなひやふに/てつて おろす きみや/てたかおさし ほこて/又てたかおさしやれは/もちよろ かなしけや/てたかおさし ほこて/又しまなおし おれわちへ/ころよ みまふて/てたかおさし ほこて

きこゑきみのつんじが節[edit]

7-358(14)

一聞ゑ照る君ぎや/京の降れのきやすひ/成さい人が 御面影 立ちちへ/又鳴響む照る君ぎや/又ぐすく御殿 見揚げれば/又島討ち御殿 見揚げれば

一きこゑてるきみきや/けおのおれのきやすひ/なさいきよか みおもかけ たちちへ/又とよむてるきみきや/又くすくおとん みやけれは/又しまうちおとん みやけれは

きこゑきみのつんじの節[edit]

7-359(15)

一聞ゑ照る君ぎや/世持ち鷲 取りよわちへ/島討ち寄せ/按司添いに みおやせ/又郡君 選び遣り/又さしふ いせゑけり/又精軍 発つとゑば

一きこゑてるきみきや/よもちわし とりよわちへ/しまうちくせ/あんしおそいに みおやせ/又こおりきみ ゑらひやり/又さしふ いせゑけり/又せいくさ たつとゑは

いべのいのりが節[edit]

7-360(16)

一聞得大君ぎや/京の内は 押し開けて/首里杜 降れわちへ/十百度の 世添うせぢ/按司添いに みおやせ/又鳴響む精高子が/もちろ内は つき明けて/真玉杜 降れわちへ/又成さい人思い按司添い/いけな君 いきよわ/又吾が掻い撫で按司添い/成り人君 いきよわ/又てるかはが/掻い撫でよわる按司添い/又てるしのが/守りよわる按司添い/又按司添いや 今からど/末 勝て ちよわる

一きこゑおおきみきや/けよのうちは おしあけて/しよりもり おれわちへ/ともゝとの よそうせち/あんしおそいに みおやせ/又とよむせたかこか/もちろうちは つきあけて/またまもり おれわちへ/又なさいきよもいあちおそい/いけなきみ いきよわ/又あかかいなてあんしおそい/なりきよきみ いきよわ/又てるかはか/かいなてよわるあんしおそい/又てるしのか/まふりよわるあんしおそい/又あちおそいや いみやからと/すゑ まさて ちよわる

いべのいのりの節[edit]

7-361(17)

一聞ゑ差笠が/神座より 帰て/首里杜 珍らしや/もちよろ為ちへ/按司添い 守ら/又鳴響む差笠が/おぼつより 帰て/真玉杜 珍らしや/又首里杜ぐすく/おぼつ嶽 やびちへ/又真玉杜ぐすく/神座嶽 やびちへ/又吉日の数 降れらに/きらの数 降れらに

一きこゑさすかさか/かくらより かゑて/しよりもり めつらしや/もちよろなちへ/あちおそい まふら/又とよむさすかさか/おほつより かゑて/またまもり めつらしや/又しよりもりくすく/おほつたけ やひちへ/又またまもりくすく/かくらたけ やひちへ/又ゑかのかす おれらに/きらのかす おれらに

やゝのきくたけが節[edit]

7-362(18)

一明けとまが 立てば/天の内 京の内/押し開けて/てるかはが 清らや/照り添う/大島 守り侍ら/又明け立ちが 立てば/又聞得大君ぎや/首里守 ちよわる/掻い撫で按司添い/又鳴響む精高子が/真玉杜ちよわる/又聞得大君ぢよ/てだ てるかはと/十声 遣り交わちへ

一あけとまか たては/天のうち けおのうちは/おしあけて/てるかはか きよらや/てりおそう/たしま まふりやへら/又あけたちか たては/又きこへおおきみきや/しよりもり ちよわる/かいなてあちおそい/又とよむせたかこか/またまもりちよわる/又きこゑおおきみちよ/てた てるかはと/とこゑ やりかわちへ

いべのいのりが節[edit]

7-363(19)

一聞得大君ぎや/末 尋めて 降れわちへ/成さい人思い按司添い/御顔 合わちへ/おもかしやど 実に ある/又鳴響む精高子が/真末 尋めて 降れわちへ/又成さい人思い按司添い/百歳 成るぎやめむ/面変わり しよわるな/又吾が掻い撫で按司添い/百年 成るぎやめむ/成り変わり しよわるな/又年 三年 成るぎやめ/きら直さ 取るぎやめ/見物遊び 間遠さ/又年 四年 成るぎやめ/吉日直さ 取るぎやめ/国鳴響み 間遠さ/又おぼつ君々や/大君は 祈て/首里杜 降れ欲しや/又神座神々や/精高子は 宣立て/真玉杜 降れ欲しや/又園比屋武 金比屋武は/杜ぐすく げらへて/天降れ子の そこらしや

一きこゑおおきみきや/すへ とめて おれわちへ/なさいきよもいあんしおそい/みきやう あわちへ/おもかしやと けに ある/又とよむせたかこか/ませ とめて おれわちへ/又なさいきよもいあちおそい/ひやくさ なるきやめむ/おもかわり しよわるな/又あかかいなてあんしおそい/もゝと なるきやめむ/なりかわり しよわるな/又とし 三とせ なるきやめ/きらなおさ とるきやめ/みもんあすひ まとうさ/又とし 四とせ なるきやめ/ゑかなおさ とるきやめ/くにとよみ まとうさ/又おほつきみや/おおきみは いのて/しよりもり おれほしや/又かくらかみや/せたかこは のたて/またまもり おれほしや/又そのひやふ かなひやふは/もりくすく けらへて/あまれこの そこらしや

しよりもりはぢめが節[edit]

7-364(20)

一聞得大君ぎや/昔初めから/首里杜 宣立てゝ/按司添いに みおやせ/大君ぢよ 肝 揃て ちよわれ/又鳴響む精高子が/せのみ初めから/真玉杜 宣立てゝ/又成さい人思い按司添い/てるかはが 上がる様に 掛け添て/又吾が掻い撫で按司添い/てるしのが 上がる様に 照り添て/又首里杜御内に/てるかはが 揚がる杜/杜ぐすく やびちへ/又真玉杜御内に/てるしのが 金の杜/杜ぐすく やびちへ/又てるかはと 御肝根は 撓て/てるしのと 肝の根は 撓て

一きこゑおおきみきや/むかしはちめから/しよりもり のたてゝ/あんしおそいに みおやせ/おおきみちよ あよ そろて ちよわれ/又とよむせたかこか/せのみはちめから/またまもり のたてゝ/又なさいきよもいあちおそい/てるかはか あかるやに かけおそて/又あかかいなてあんしおそい/てるしのか あかるやに てりおそて/又しよりもりみうちに/てるかはか あかるもり/もりくすく やひちへ/又またまもりみうちに/てるしのか かねのもり/もりくすく やひちへ/又てるかはと おきもねは しなて/てるしのと あよのねは しなて

[edit]

7-365(21)

一聞ゑ君加那志/厳子島 依り降れて/成さい人思い按司添い/眼 寄り交わちへ/愛しやど 立ち居る/又鳴響む君加那志/此の御島 憑き降れて/又御肝内に よ治らす/大君に 撓よわ/又肝が内に 覚へす/精高子に 撓よわ/又大ころ達 見守てす/おぼつより 帰れ/又群り合へ子達 贖なてす/神座より 帰れ/又てるかはが てるしのが/照り居る様に/御肝 生まれわちへ/成さい人思い按司添い/眼 寄り交わちへ/愛しやど 立ち居る

一きこゑきみかなし/いつこしま よりおれて/なさいきよもいあちおそい/あまこ よりかわちへ/まなしやと たちよる/又とよむきみかなし/このみしま つきおれて/又おきもうちに よしらす/おおきみに しなよわ/又あよかうちに おほへす/せたかこに しなよわ/又大ころた みまふてす/おほつより かゑれ/又もりやへ子た あかなてす/かくらより かへれ/又てるかはか てるしのか/てりよるやに/おきも うまれわちへ/なさいきよもいあんしおそい/あまこ よりかわちへ/まなしやと たちよる

きこゑきみのつんじの節[edit]

7-366(22)

一聞得大君ぎや/掻い撫で貴み人/うらと/同座敷 ちよわれ/又鳴響む精高子が/又首里杜ちよわる/又真玉杜ちよわる

一きこゑおおきみきや/かいなてたゝみきよ/うらと/ゑんさしき ちよわれ/又とよむせたかこか/又しよりもりちよわる/又またまもりちよわる

きみのつんじの節[edit]

7-367(23)

一聞得大君ぎや/威部の祈り し[よ]わちへ/按司添いぎや およりとて/おぼつより 帰ら/又鳴響む精高子が/司祈り しよわちへ/又明けとまが 立てば/てるかはす 見守れ/又よすづめが 立てば/君々す 見守れ/又さしふ 照る真物/掻い撫でゝす 降れたれ/又むつき 照るきしやき/掻き撫でゝす 降れたれ/又吉日 七日 遊で/眼 合わちへからは/又夜 七日 遊で/御顔 合わちへからは/又国鳴響み 煽らちへ/見物踊り 珍らしや/又国珍ら 煽らちへ/やゝの遊び 珍らしや/又算知らぬ ころ/組む手 合わちへ 手摩て/又数知らぬ 真ころ達/御袖 合わちへ 手摩て/又厳子島 直ちへ/此の御島 直ちへ

一きこゑおおきみきや/いへのいのり し[よ]わちへ/あちおそいきや およりとて/おほつより かゑら/又とよむせたかこか/つかさいのり しよわちへ/又あけとまか たては/てるかわす みまふれ/又よすつめか たては/きみす みまふれ/又さしふ てるまもの/かいなてゝす おれたれ/又むつき てるきしやき/かいなてゝす おれたれ/又ゑか なんか あすて/あまこ あわちへからは/又よる なんか あすて/みきやう あわちへからは/又くにとよみ あおらちへ/みものより めつらしや/又くにめつら あおらちへ/やゝのあすひ めつらしや/又さにしらぬ ころ/こむて あわちへ てつて/又かすしらぬ まころた/みそて あわちへ てつて/又いつこしま なおちへ/このみしま なおちへ

きこゑ大ぎみがみてづからが節[edit]

7-368(24)

一聞得大君ぎや/御愛しけ按司添い/うらと/同座敷 ちよわれ/又鳴響む精高子が

一きこゑおおきみきや/みかなしけあんしおそい/うらと/ゑんさしき ちよわれ/又とよむせたかこか

とかしきのかねつが節[edit]

7-369(25)

一聞ゑ按司添いや/てるかはす 守れ/守りよわば/百末 ちよわれ/又鳴響む按司添いや/てるしのす 守れ/又聞得大君しよ/按司添い 守れ/又鳴響む大君しよ/貴み人わ 守れ/又あまみや君南風や/按司添いぎや おより/又しねりや君南風や/貴み人が おより/又おぼつせぢ 降ろちへ/按司添いす 守れ/又神座せぢ 降ろちへ/貴み人す 守れ/又神座 在つる 金精/按司添いに みおやせ

一きこゑあちおそいや/てるかはす まふれ/まふりよわは/もゝすゑ ちよわれ/又とよむあちおそいや/てるしのす まふれ/又きこゑおおきみしよ/あちおそい まふれ/又とよむおおきみしよ/たゝみきよわ まふれ/又あまみやきみはゑや/あんしおそいきや おより/又しねりやきみはへや/たゝみきよか おより/又おほつせち おろちへ/あちおそいす まふれ/又かくらせち おろちへ/たゝみきよす まふれ/又かくら あつる かねすゑ/あんしおそいに みおやせ

やゝのきくたけが節[edit]

7-370(26)

一君志按司添へが/ちやうはちは 生しよわちへ/末 勝て/遊び群れ舞へば/神てだの 誇て/守りよわちへ/又京の内綾庭に

一きみしあちおそへか/ちやうはちは なしよわちへ/すゑ まさて/あすひふれまへは/かみてたの ほこて/まふりよわちへ/又きやのうちあやみやに

きこへせぢあらきみが節[edit]

7-371(27)

一天 強く 鳴響み居つる/世のつほに 御神酒/吾が貴み加那志しよ/按司数の王/又聞ゑ羽地御船/御身加那志 船頭 し遣り/吾が貴み加那志しよ/又世のつほに 持ちよわれ/世のつくせ 持ちよわれ/吾が貴み加那志しよ

一てん ちよく とよみよつる/よのつほに みしやこ/あかたゝみかなしよ/あんしかすのわう/又きこゑはねしおうね/おみかなし せと しやり/あかたゝみかなしよ/又よのつほに もちよわれ/よのつくせ もちよわれ/あかたゝみかなしよ

うちいではおきなわのいよが節[edit]

7-372(28)

一明けとまに 祈て/降ろす神や/厳子 養な遣り/按司添いよ 守れ/せぢ高む 誇て/又明け立ちに 祈て

一あけとまに いのて/おろすかみや/いつこ やしなやり/あちおそいよ まふれ/せちたかむ ほこて/又あけたちに いのて

うちいではあけとまが節[edit]

7-373(29)

一首里杜ぐすく ゑ/沖縄の 魚わ/按司添いに みおやせ/又真玉杜ぐすく

一しよりもりくすく ゑ/おきなわの いよわ/あちおそいに みおやせ/又またまもりくすく

しよりもりちよわるあがかいなでたゝみきよが節[edit]

7-374(30)

一首里杜 ちよわる/御愛しのてだよ/御身ぎや身よ 拝めば 愛しや/又真玉杜ちよわる

一しよりもり ちよわる/みかなしのてたよ/おみきやみよ おかめは かなしや/又またまもりちよわる

くろさよこたりが節[edit]

7-375(31)

一弥勒 見ちへ 和る/此の 生まれど 弥勒/此御神酒 ぬき上げわちへ/世は ちよわれ/又今日の良かる日に/今日のきやかる日に/又上の世の閂や/下の世の閂や

一みろく みちへ やはる/この うまれと みろく/此みしやこ ぬきあけわちへ/世は ちよわれ/又けおのよかるひに/けおのきやかるひに/又かみの世のとてや/しものよのとてや

くろさよこたりが節[edit]

7-376(32)

一首里杜ぐすく/今日わ のが 為居らしよ/歓へど いちよなしやど 為居らい/又真玉杜ぐすく

一しよりもりくすく/けおわ のか しよらしよ/あまへと いちよなしやと しよらい/又またまもりくすく

きこへ大ぎみやしよりもりはぢめが節[edit]

7-377(33)

一けとの沖縄が/百浦まちらすわ/大和 京 鎌倉/報国寄せ按司添い/按司添いや 拝めばど/十百度 ちよわる/又鳴響む沖縄が/又下の世の主の

一けとのよきなわか/もゝうらまちらすわ/やまと きやう かまくら/ふくによせあちおそい/あちおそいや おかめはと/ともゝと ちよわる/又とよむよきなわか/又しものよのぬしの

うちいではひやくなうらはへが節[edit]

7-378(34)

一何時か 夏 立ゝしよ/成さい人 愛しけや/見揚げ欲しや/又何時か 折り 立ゝしよ

一いつか なつ たゝしよ/なさいきよ かなしけや/みあけほしや/又いつか おり たゝしよ

うちいではふへのとりの節[edit]

7-379(35)

一天に鳴響む大主/明けもどろの花の/咲い渡り/あれよ 見れよ/清らやよ/又地天鳴響む大主

一天にとよむ大ぬし/あけもとろのはなの/さいわたり/あれよ みれよ/きよらやよ/又ち天とよむ大ぬし

しやこのおやが節[edit]

7-380(36)

一若さ 有し時や/玉纏や 選で 差ちや物/百歳 成てからは/金精 付き遣り/御前 輝居らに/又若さ 有し時や/鎧 選で 着ちや物

一わかさ あしときや/たまきや ゑらて さちやもの/ひやくさ なてからは/こかねすへ つきやり/おまへ かゝおらに/又わかさ あしときや/よろい ゑらて きちやもの

くろさよこたりが節[edit]

7-381(37)

一儀間のよらふさよ/儀間の思い子よ/按司添いが/島 丸く 御声/又今日の良かる日に/今日のきやかる日に/又おにの崎より 追ゑ/佐手港より 追ゑ

一きまのよらふさよ/きまのおもいこよ/あちおそいか/しま まるく みこい/又けおのよかるひに/けおのきやかるひに/又おにのさきより おゑ/さてみなとより おゑ

くろさよこたりが節[edit]

7-382(38)

一世寄せ三つ廻りしよ/玉の王やれな/果報は 首里親国/又玉の三つ廻りしよ

一よゝせみつまわりしよ/たまのわうやれな/かほうは しよりおやくに/又たまのみつまわりしよ

しよりもりちよわるみかなしてだの節[edit]

7-383(39)

一雲子杜 ちよわる/吾が掻い撫で貴み人/てだが 思いよわる/真手持ち貴み/又真玉杜ちよわる

一くもこもり ちよわる/あかかいなてたゝみきよ/てたか おもいよわる/まてもちたゝみ/又またまもりちよわる

あぢおそいがみしよわちやるきやうちやが節[edit]

7-384(40)

一按司添いぎや/植へ差ちやる 松並/十百度す 十百歳す 祈らめ/又按司添いぎや/立て差ちやる 蒲葵並/又按司添いぎや/立て差ちやる 梯梧並

一あぢおそいきや/うへさちやる まつなみ/ともゝとす とひやくさす いのらめ/又あんしおそいきや/たてさちやる こはなみ/又あんしおそいきや/たてさちやる てしなみ

こはりきもよりが節[edit]

7-385(41)

一くろさよこたりや/吾の按司はゑや/御み顔の 拝めばの/夜が 明ける様に/又今日の良かる日に/今日のきやかる日に/又よこたりが 貢/按司はいが 捧げ

一くろさよこたりや/あんのあんしはゑや/おみかうの おかめかの/よか あけるやに/又けおのよかるひに/けおのきやかるひに/又よこたりか かない/あんしはいか さゝけ

くろさよこたりが節[edit]

7-386(42)

一こはり肝寄りや/吾の肝寄りや/天のてだ/按司添い 守ら/又今日の良かる日に/今日のきやかる日に/又首里 降る 雨や/孵で水ど 降り居る/又ぐすく 降る 雨や/若水ど 降り居る

一こはりきもよりや/あんのきもよりや/てにのてた/あちおそい まふら/又けおのよかるひに/けおのきやかるひに/又しより ふる あめや/すてみつと ふりよる/又くく ふる あめや/わかみつと ふりよる

やゝのきくたけが節[edit]

7-387(43)

一聞得大君ぎや/きら 直ちへ/いけな君 依り降ろちへ/按司添いしよ/せぢ 勝て ちよわれ/又鳴響む精高子が/吉日 直ちへ/成り人君 憑き降ろちへ/又年 七年 想せわちへ/首里杜 依り降ろちへ/又年 八年 願て/真玉杜 憑き降ろちへ/又いせゑけり按司添い/大君は 宣立てゝ/又吾が掻お撫で王にせ/君々は 手摩て/又てるかはが 守りよわる/御島王にせす 掛け添て

一きこゑ大きみきや/きら なおちへ/いけなきみ よりおろちへ/あちおそいしよ/せち まさて ちよわれ/又とよむせたかこか/ゑか なおちへ/なりきよきみ つきおろちへ/又とし なゝと さうせわちへ/しよりもり よりおろちへ/又とし やとせ ねかて/またまもり つきおろちへ/又いせゑけりあちおそい/大きみは のたてゝ/又あかかいなてわうにせ/きみは てつて/又てるかはか まふるよわる/みしまわうにせす かけおそて

いべのいのりの節[edit]

7-388(44)

一聞得大君ぎや/吉日 選び遣り 降れわちへ/按司添いしよ/掛け栄て ちよわれ/又聞ゑ精高子が/きら 選び遣り 降れわちへ/又聞ゑ天続ぎや/およりとて 降れわちへ/又鳴響む王にせが/二十 満ちへ 八千代/又煽りやへ 煽りやへ

一きこゑおおきみきや/ゑか ゑらひやり おれわちへ/あんしおそいしよ/かけふさて ちよわれ/又きこゑせたかこか/きら ゑらひやり おれわちへ/又きこゑてにつきや/およりとて おれわちへ/又とよむわうにせか/たはち みちへ やちよ/又あおりやへ あおりやへ

たくしたらなづけが節[edit]

7-389(45)

一聞ゑ按司添いぎや/首里杜 ちよわれば/今日も 明日も/御み顔よ/拝むすが 勝り/又鳴響む按司添いが/真玉杜 ちよわれば

一きこゑあんしおそいきや/しよりもり ちよわれは/けおも あちやも/おみきようよ/おかむすか まさり/又とよむあんしおそいか/またまもり ちよわれは

くろさよこたりが節[edit]

7-390(46)

一按司だもす かに あれ/下司だもす かに あれ/珍らしや飽かん首里親国/又宜寿次 居てやちよも/珍らしや飽かん

一あんたもす かに あれ/けすたもす かに あれ/めつらしやあかんしよりおやくに/又きすゝ おてやちよも/めつらしやあかん

[edit]

7-391(47)

一やとりこしらいや/めす川の 真清水/乞ゑが おわち/又杜のこしらいや/又みるや轟るきや/又かなや轟るきや/又按司 栄す 鳴り清ら 降るち/又主 栄す なよす 捧げて

一やとりこしらいや/めすかわの まさうす/こゑか おわち/又もりのこしらいや/又みるやととるきや/又かなやととるきや/又あち はやす なりきよら おるち/又しよ はやす なよす さゝけて

うちいではいちやはな節[edit]

7-392(48)

一佐敷金杜に/夕凪れ 雲が 追ゑ

一さしきかなもりに/世うとれ くもか おゑ